Readabilityはサービスを終了したので、あとで読むサービスはPocketの1強となりました。
あとで読む系サービスが群雄割拠していたのも今は昔、最近ではPocketが市場を制圧しつつあるようですが、個人的にはまだまだReadabilityも捨てがたい。今回は、2つのサービスを比較しつつRSSをより効率的に消化する段取りについて考えたいと思います。
以下、RSSの取得にはFeedlyを使うことを前提として書いています。また主にモバイル環境でRSSを消化する状況を想定しています。
PocketとReadabilityの共通点
全文取得機能
あとで読む系サービスは、その名の通り時間があるときなどに読みたい記事をまとめておく役割が第一です。しかし、僕も含めてあとで読むサービスの全文取得機能に惹かれて利用している人も多いと思います。
個人のブログではRSSで全文配信してくれている方がほとんどですが、大手のメディアサイトなどはほぼ間違いなくリンクを踏んでページ遷移をしないと中身が読めません。
FeedlyでRSS配信されてきた記事を読もうとすると、まず記事を開き、続きを読むから元のウェブサイトに飛んで、読み終わったらFeedlyに戻って次の記事へ、という風にとにかく手間が多く煩わしいのです。読みたい記事数が増えてくると、無駄な画面遷移がどんどん増えるわけですね。
PocketとReadabilityはともに全文取得機能を持ち、それぞれのサービスに送った段階でもとのページの中身を取得してストックしてくれます(一部のサイトではうまくいかない場合もある)。読みたい記事をまとめて「あとで読む」に送っておくことで、その後ページの中身だけを順番に読み進めることができます。
端的に言えば、クリック数、タップ数を減らしてたくさんの記事をスムーズに捌くために、これらのあとで読むサービスを使うわけです。
ブックマークレット
RSSだけでなく、ブラウザで読みたいページを「あとで読む」に送りたいこともあります。ブラウザに専用のブックマークレットを登録しておくことで、ワンタップでPocketやReadabilityに送ることができます。PCはもちろんiPhoneやandroidのブラウザでも使えます。
参考:「Pocket」ブックマークレットを登録する方法(Mac/iPhone) – ネタフル
参考:全てReadabilityへ!iPhoneのSafariから「あとで読む」ための3つの方法 – みんなの扉を開くカギ
共有機能
Evernoteに保存はもちろんのこと、TwitterやFacebookにシェアすることができます。
オフラインでの閲覧が可能
PocketやReadabilityに送った記事はオフラインでも読むことができます。通信量を節約するだけでなく、wifiモデルのタブレットでも通信せずに読むことができます(リストの読み込みだけはオンラインで済ませておく必要アリ)。
電波の届きにくい地下鉄やトンネルを通過する電車で通勤している人でも、通勤中にRSSを消化することができます。
Pocketのほうが優れている点
全文取得の精度
全文取得の際にたまにページの形が崩れたりすることがありますが、僕が利用している範囲ではPocketのほうがReadabilityよりも綺麗に取得できる場合が多いです。
他のアプリとの連携
あとで読む系サービスとの連携機能がついたアプリで、Pocketに送る機能がついていないものはほぼないと言っていいでしょう。最近ではブログのシェアボタンでも定番になりつつあります(このブログにもついています)。
ブラウザ版のFeedlyは、Pocketには標準で対応していますが、Readabilityは有料プランでないと使えないようです。
iOS版のFeedlyでは、Readabilityに送ることはできる(Readabilityアプリのインストールが必須)もののタップ数が多くなるので、やはりPocketのほうがスムーズに使えます。
タグ
Pocket、Readabilityともにタグ付け機能がありますが、Readabilityはブラウザ版以外ではタグが付けられません。PocketではiOSアプリでもタグで分類できますし、ブラウザでクリップした時にタグを付けることも可能です。
僕は残しておきたい記事をEvernoteに送ってしまうのでタグ付けはしていませんが、これらのあとで読むサービスを残したい記事のストック場所として利用するのであればPocketの方が優れていると思います。
Readabilityの方が優れている点
Reeder2との連携
Readabilityは連携アプリも少なく、iOSのアプリは同期が遅かったり動作がややもっさりしていたりと単体ではPocketには太刀打ちできません。しかし、RSSリーダーアプリであるReeder2と組み合わせると状況が一変します。
Reeder2では、設定によりFeedlyの記事リストからタイトルをフリックするだけでReadabilityやPocketに送ることができます。この機能だけでも快適度が一気にアップするのですが、Reeder2では更にアカウントの欄にReadabilityを追加して、Readabilityに送った記事も読むことができます。
こうすることで、Reeder2アプリ内でFeedlyからReadabilityに記事を送り、記事をReadabilityで読み、EvernoteやSNSにシェアする、という一連の流れを完結させることができるんです。
Reeder2は非常に動作も軽快で安定しており、また上述のようにうまく全文化して取得できない場合でも、左スワイプすると内蔵ブラウザでオリジナルのページを開くことができます。元のページをEvernoteにクリップしたい時にも役立ちます。
またページの下端で上にスワイプすると、すぐに次の記事に移動できます。いちいち記事のリストに戻る必要がないんです。
もちろんReadabilityのスターをつけて共有することもできます。
キャリアの通信制限に引っかかっている場合でも、Readabilityは非常に軽いのでさほどストレスなくRSSを見ることが可能です。
まとめ
というわけで、サービスやアプリ単体ではPocketの圧勝なんですが、Reeder2との組み合わせであればReadabilityの方がより快適かつすばやくRSSを消化することができます。これが個人的にReadabilityから離れられない理由です。
ただPocketは見栄えもよく日本語化もされており、他のアプリとの連携からいっても将来性ではこちらなのかなとも思います。Reeder2がPocketのアカウントを追加できるようになってくれると面白くなりそうなんですが。