スウェーデン発の音楽ストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」の使い方を紹介します。
Apple MusicやLINEミュージックなど他のストリーミングサービスと異なり、Spotifyは無料でもフルで音楽を聴くことができるので、誰でも気軽に利用できます。スマホ、タブレット、PC全てに対応。
もちろんSpotifyは権利関係をクリアした正規の音楽配信サービスであり違法性は一切ありません。
2017/7/2 一部の仕様変更および機能について追記
Spotifyのアカウントを作成
Sporifyアプリをダウンロードして起動したら、まずアカウントを作成します。SpotifyはSNS的側面もあるため、Facebookアカウントでログインすると実名登録となってしまい都合が悪いこともあります。匿名で使いたい人はメールアドレスで新規アカウントを作ることをおすすめ。
アカウントの作成が完了すると無事Spotifyのトップページがお目見え。
Spotifyの使い方
好きなアーティストをフォロー
「Search」からアーティスト、アルバム、曲を検索できます。アーティストは「フォロー」、アルバムや曲は「お気に入り」に追加すると「My music」のリストに追加され簡単にアクセスできるようになります。
「My Library」が自分の音楽ライブラリになります(以前はMy Musicという表記でした)。My Libraryに登録しなくても音楽を聞くことは可能なので、繰り返し聞きたいお気に入りのアーティストやアルバムだけを追加するようにするといいでしょう。
お気に入りに追加、プレイリストを作成など全ての基本的な操作はアルバムや曲の横に表示されている「…」マークから行うことができます。
プレイリストの取扱い
Spotifyの一番の売りは、プレイリストをフォローする機能です。このプレイリストは運営が作成したものとユーザーが作成したものの二通りあり、好きなものを自由にフォローできます。「Browse」からジャンルやシチュエーションに応じたプレイリストを選択できます。
フォロワー数も表示されるので人気のプレイリストが一目でわかります。
自分が作成したプレイリストもデフォルトでは全世界に公開され、他人がフォローできる状態になっています。非公開にするには「My Music」からプレイリストを選択して「…メニュー」を開き、プレイリストを「非公開」にする必要があります。
自分のプレイリストの操作(並べ替え、曲を削除)は上記↑のメニューの「編集」から行います。
Radio機能
最近追加された「Radio」機能。これは自分の好きなアーティストやジャンルの「ステーション」を選択すると、それらに関連したプレイリストを自動で作成してくれる機能です。このステーションを「My Library」追加することも可能。
「My Daily Mix」を選択すると、アカウントの再生履歴などから自動でプレイリストを作成してくれます。
その他の音楽の探し方
Spotifyの「Browse」ページには
- チャート
- ニューリリース
- ディスカバー
の3種類のメニューがあり、検索以外でも音楽を探すことができます。チャートは最新の音楽チャート(海外のもの)、ニューリリースはその名の通り人気アーティストの新譜を表示してくれます。
ディスカバーは再生履歴からおすすめの曲を紹介してくれる機能になります。
歌詞表示機能
日本発祥で老若男女に根づいたカラオケ文化に合わせるように、Spotifyではデフォルトで歌詞表示機能がついています。再生中に「歌詞ボタン」を選択するとリアルタイムでカラオケのように歌詞が表示されます。
まれに歌詞表示ができない曲もありますが、邦楽、洋楽共に大半の曲に対応しています。カラオケの練習にもピッタリ。
アカウントをフォロー
Spotifyでは他のユーザーをフォローする機能もあり、SNS的な使い方をすることもできます。自分の再生した曲などを他人に知られたくない場合は、「My music」にある歯車マークから「ソーシャル」を選択し、「アクティビティの公開」をオフにします。
Facebookと紐付けることで実名でプレイリストの作成や公開をすることもできます。音楽業界で仕事をしている人などは、このソーシャル機能を積極的に使うことで自分のセンスをアピールすることもできるかも?
SpotifyのFreeプランとプレミアムプラン(月額980円)の違い
プレミアムプランは1週間の無料体験が可能です。本登録には支払い用のクレジットカードやギフトコードの登録、またはドコモ、au、ソフトバンクのキャリア決済が必要なるため、勝手に課金されることはありません。
2017年4月より、学生はプレミアムプランを半額(480円/月)で利用できるようになりました。
無料版ではシャッフル再生しかできない
無料版のSpotify(スマホアプリ)ではアルバムやプレイリストのシャッフル再生しかできず、アルバムの曲順再生や好きな曲を1曲だけ選んで再生することはできません。
1曲しか入っていないプレイリストをつくってシャッフル再生する、という荒技で解決可能ですが、この場合高確率で再生前に30秒広告が挿入されます。→仕様変更によりこの裏技は使えなくなりました。
無料版では数曲おきに広告が入る
無料版では数曲おきに30秒ほどの広告が挿入されます。
無料版では勝手にオススメ曲が再生される
無料版では、アルバムやプレイリストの途中で「関連したジャンルのオススメ曲」が再生されます。
スキップできる回数にも制限があるため、無料版では自分の聴きたい曲だけをシャッフル再生し続けることはできません。
別のアルバムやプレイリストに移るとこのオススメ曲の再生をキャンセルすることができます。
以前はアプリを一度完全に終了させることでもキャンセルが可能でしたが、仕様が変更されてからは再生中の曲が残るようになってしまいました。
音楽ファイルのダウンロードはプレミアムプランのみ
最高音質での再生および音楽データをスマホにダウンロードしてオフラインで再生できるのはプレミアムプランのみとなります。
音楽のダウンロードは「アルバム単位」になります。ダウンロードの際はアルバム容量分の通信量が必要なのでWIFI環境下で行うのを推奨。
タブレットやパソコン版の無料プランは15時間/月のみ利用可能
タブレットやパソコンでFreeプランのSpotifyを利用する場合は、1曲ごとの再生もできますし勝手におすすめ曲が挿入されることはありません(音声広告はたまに再生される)が、毎月15時間しか使えません(スマホアプリには時間制限がありません)。
ログインできる機器の数にも特に制限はないようですが、同じSpotifyアカウントで一度に再生できるデバイスは一つだけです。PCとスマホで同時に違う曲を流す、といった使い方はできません。
ファミリープランが追加
プレミアムに月額1480円の家族プランが追加されました。
- ファミリープランの概要
- 同一住所で生活をしている家族 最大5人まで利用可能(人数に関わらず1480円で定額)
- 支払いは代表者一人が行う
- 曲の再生履歴やプレイリストは個別に管理される
Spotifyに曲をインポートする
スマホの中にある音楽ライブラリをSpotifyアプリで再生することもできます。この機能を使うと、Spotifyに登録されていないアーティストの曲を含めたプレイリストを作成することができます。
以下ではiPhoneのミュージックを取り込む方法を解説します(androidでもほぼ同じ手順でできます)。
まず「My Library」の歯車マークから「My Musicのインポート」を選択します。
するとSpotifyがミュージックをスキャンできるように設定を変更しろと言われるので、iPhoneの「設定」から「プライバシー」→「メディアとApple Music」と選択します。
Spotifyに「ミュージック」へのアクセスを許可します。
Spotifyアプリに戻り、もう一度「My Musicをインポート」を選択すると、iPhoneの中にある音楽ライブラリが表示されます。曲、アルバム、アーティスト、プレイリストなど、Spotifyに取り込みたいものを選択して右上の「インポート」をタップします。
インポートした曲は「My Library」の「ソング」から再生できます。アーティスト別、アルバム別ではソートされないので使い勝手はよくありません。Spotifyの曲と一緒にプレイリストに入れたい曲のみをインポートするようにしたほうがいいでしょう。
ちなみに、この機能はスマホの中にある音楽ファイルをSpotifyが再生しているだけなので、スマホの容量が増えることはありません。
またフリープランの場合はSpotifyのストリーミング曲と同じくシャッフル再生しかできません。
SpotifyをFreeプランで使うコツ
SpotifyのFreeプランではシャッフル再生しかできないので、まず予め自分の聴きたい曲だけを集めたプレイリストを作っておくというのが基本です。
オススメ曲の再生をキャンセルする
無料版(スマホアプリ)の一番の難点は、上述の通り勝手にオススメ曲が再生されてしまうことです。対策として、複数のプレイリストを作り、オススメ曲が挿入されたら別のプレイリストを再生する※、という手順を踏めば自分の好きな曲だけを再生し続けることが出来ます。
同じプレイリストを再生したい場合は、一度アプリを完全に終了させる(iPhoneの場合はホームボタンダブルタップ→Spotifyのウィンドウを上にスワイプ)とオススメ曲の再生をキャンセルすることができます。→この方法は使えなくなりました。
※ プレイリストの中身が同じアルバムの収録曲で重複している場合などは、オススメ曲の再生がキャンセルされない場合があります。できれば全く中身の違うプレイリスト間を行き来するようにしたほうが確実です。
1曲しか入っていないプレイリストをつくってシャッフル再生する→仕様変更によりこの方法はつかえなくなりました
ピンポイントで好きな曲を聴きたい場合は、1曲しか入っていないプレイリストを作ってシャッフル再生する、という小技を使います。たまに再生する前に広告が挿入されますが、許容範囲でしょう。
アプリの仕様が変更され、曲数の少ないプレイリストでは勝手におすすめ曲が再生される頻度が増えました。よってこの方法は利用できなくなりました。
Spotifyの通信量は?
My Data Managerという通信量チェッカーでSpotifyの通信量を計測してみました。音質は標準に設定。
約70分で113MBなので、1時間で90MBは必要になりますね。1日3時間利用すると仮定すると1ヶ月で約8GBになるので、最近大手キャリアが導入した20GBのプランならばオフライン再生なしでも普通に使えそうです。
ちなみに音楽ストリーミングを再生するのに必要な通信速度は0.1Mbps程度なので、格安simに搭載されている低速モード(通信速度が遅くなるが通信量がカウントされなくなる)でも利用できることがあります。
関連:WIFIの通信量もチェックできる無料アプリ My Data Manager
音質の設定はMy Musicに表示されている歯車マークから「ストリーミングの音質」を選択すると変更できます。
PC版のSpotify
PC版のSpotifyは、PCでSpotifyの公式HPを開き、ページ上部の「ダウンロード」を選択すると入手できます。
PC版のSpotifyもUIはスマホと変わりませんが、PC版からのみ設定できる項目もあります。例えばデフォルトで全てのプレイリストを自分以外に非公開にする設定。
PC版はアイコンも少し変更されており、歌詞ボタンがマイクのアイコンになっています。
PC版のSpotifyではyoutubeのように埋め込みコードを取得してブログなどに貼り付けることもできます。
パスワードの変更など基本的なアカウント設定はアプリではなくSpotifyの公式HPにログインしてから行います。
Spotifyで聴ける日本のアーティストは?
正規サービスを開始してから邦楽アーティストも豊富になってきました。
- 米津玄師
- 嵐
- 絢香
- 星野源
- サザンオールスターズ
- 東京スカパラダイスオーケストラ
- 東京事変
- Dreams Come True
- ONE OK ROCK
- RADWIMPS
- [Alexandros]
- Dragon Ash
- 佐野元春
- Hi Sandard
- EXILE
- BABYMETAL
- Perfume
- L’Arc~en~Ciel
- 赤西仁
- AI
- 中島美嘉
- 三浦大知
- 山口百恵
- TM NETWORK
- Chara
- 清水翔太
- イエロー・マジック・オーケストラ
- ミッシェル・ガン・エレファント
- MISIA
- aiko
- AAA
- Superfly
- Judy and Mary
- Every Little Thing
- The Brilliant Green
- 矢沢永吉
- globe
- TRF
- E-girls
- 尾崎豊
- 久保田利伸
- 浜崎あゆみ
- JUJU
- 初音ミク
- サカナクション
- 斉藤和義
- 家入レオ
- くるり
- ジブリ作品のサウンドトラック
- エヴァンゲリオン新劇場版のサウンドトラック
- 一部のサンライズアニメのサウンドトラック
など
アーティストによって登録されている曲数は異なります。ジュディマリ、ドリカム、globe、浜崎あゆみなどは8cm時代のシングル盤やリミックス・アルバムも含めてほぼ全てのCD音源が登録されているので、カップリングやカラオケトラックなどの貴重な音源も聴くことも可能。
一方で大ヒット映画「君の名は。」で再び注目を浴びた人気バンドRadwimpsのようにアルバム数枚しか登録されていないアーティストもいます。
洋楽のラインナップはかなり豊富で、最近のR&BやEDMから一昔前のロック、Hip Hopまでかなりの曲数があり、有名どころは高確率で聴くことができます。一時期テイラー・スウィフトが権利関係で揉めていたのですが、最近ラインナップに加わりました。
検索機能も優秀で、カタカナ表記でもヒットすることが多いです。
まとめ
Spotifyには楽曲提供を拒否しているアーティストもいるそうですが、実際に使ってみてこれが無料なのは確かにヤバイ、という雰囲気。ユーザーにはありがたい反面、音楽業界には本当にプラスになるのだろうか?、という懸念を感じずにはいられません。
とはいえYoutubeの違法アップロード動画を再生するよりはアーティストのためになるはずなので、ぜひSpotifyを活用しましょう。
歌詞表示など日本人が好む機能も実装してきており、日本でのサービス開始は他社に遅れをとっているものの間違いなく多くの人に利用されるアプリになるでしょう。