GoodNotes 4はiPadのノートアプリとして不動の地位を築いていましたが、昨今別のノートアプリも次々とアップデートを重ね、以前ほどの優位性が失われつつありました。
そんな中、2019年に入り大幅なアップデート版となる「GoodNotes 5」がリリース。
この記事ではそんなGoodNotes 5の機能について詳しく解説します。
ファイルのワンタップ移行機能(ただし 4→5 の一方通行)も完備。
GoodNotes 5でできること
手書きのバリエーション
- ペン先:万年筆、ボールペン、筆ペンの3種類 + マーカー
- 太さ:0.1mm 〜 2mmの中から3パターン保存可
- 色:カラーコードで選択可
- 色の選択:常駐3種 + 保存したプリセット
色は3種類をツールバーに常駐させることができ、さらに16進数のカラーコードで入力した好みの色をプリセットとして保存可能。
Notes 4に比べてペンがバリエーション豊かになり、また選択も楽になりました。
手書き文字のOCR認識による検索
GoodNotes 5では手書き文字が検索対象になります。
これは手書き文字のOCR認識により実現しているので、GoodNotes 5で入力した手書き文字は他の汎用PDFアプリでも検索が可能。
設定を行うことで、日本語、英語だけでなく、他の言語も手書き認識対象にできます。
文字認識の精度は想像以上に高い(特にアルファベット)ですが、文字同士の間隔、とめはねなどにより認識されないこともあるので過信は禁物。
特に「ちょうちょ」のような「小さいかな文字」を含む日本語の文字列などは認識がシビアな印象。
絶対に検索対象としたい文字列については、テキスト入力でタグ代わりに打ち込んでおくのを推奨します。
その他の入力ツール
- テキスト入力:フォント、カラー、枠線など詳細設定
- 画像:フリーハンドのトリミング、角度調整
- 円、直線、四角形の描画と着色
- 投げ縄ツールによる修正
- 一つ戻る、一つ進むボタンによる修正
投げ縄は「複数の違う要素」を同時に囲んで移動、サイズ変更などを行うことも可能。Notes 4ではできなかった「要素の角度調整、回転」もできます。
画像はSplit View、Slide Overからのドラッグ & ドロップでの挿入、あるいはカメラ撮影もOK。
ノートのファイルサイズを考えると、画像を挿入する前に、リサイズや圧縮によってサイズを落としておいたほうがいいでしょう。
また常に画面右上に表示されている「一つ戻る」、「一つ進む」ボタンによる微修正も便利な機能です。
PDFリーダーとしての機能
- ハイライト、取り消し線(色変更不可!)
- マーカーの自動補正
- 用語の辞書検索
- ブックマーク(アプリ内のみ)
- サムネイル表示からのページジャンプ
- 内容の横断検索
- ファイル同士の結合、ページ順序入れ替え
OCR処理された文字をマーカーでなぞると自動で手書きの歪みを補正してくれます。
ハイライトや取り消し線は色が変更できない上、長押しの文字選択にひと手間必要なため手書きマーカーをハイライト代わりに利用するといいでしょう。
文字列の辞書検索(国語、英語だけでなく他言語の辞書も任意でダウンロード可)もできます。
さらにアップデートにより全ファイルの内容を対象とした横断検索機能がついたので、ノートアプリとしてだけでなくPDFリーダーとしても強力になりました。
ページブックマーク機能もありますが、これはアプリ内でしか利用できません。
縦書きの文字選択と縦スクロール
GoodNotes 5では、なんとOCR処理された縦書き文字の検索や辞書検索が可能になりました。
ページ送りも縦スクロールが追加されたので、縦書き文書のマークアップにも使えます。
ただし、「縦の手書き」は文字選択、検索ともに不可なので注意が必要です。
階層フォルダによるファイル管理
GoodNotes 5では、馴染みのあるフォルダを使ったファイル管理ができます。もちろんフォルダの中にフォルダを作ることも可能!
「長押し → ドラッグ」でファイルの移動、さらに他のアプリからPDFファイルの取り込みも直感的にできます。
またノートをお気に入りに追加すると、お気に入りだけを表示するタブからすばやくアクセスが可能になりました。
iPadOSに対応!Split Viewによる画面分割表示
2019年9月にリリースされたiPadOSでは同じアプリを二分割のSplit Viewで並べられるようになりました。
最新版のGoodNotes 5もすでに対応しており、同じファイルを同時に並べることもできます。この状態でページに書き込みを加えると二画面とも同時に更新されます。
画像を長押ししてドラッグすると左右のノート間を移動させることもできますが、この機能はアップデート後に追加した画像のみが対応しています。
擬似的な見開き表示
Goodnotesは2ページの見開き表示 及び ページの右開きには対応していません。
しかし「縦スクロール」と上記の「同じアプリをSplit Viewで2つ並べる機能」を使うと擬似的な見開き表示を実現できます。
ページめくりは煩雑になりますが、どうしても見開き表示が必要な方は試してみるといいでしょう。
なお同じファイルを2つ並べた状態で書き込みを加えると即時で両画面に反映されるため、左右で書き込みの内容が異なるといったことは起こりません。
豊富なノートテンプレート
GoodNotes 5では、デフォルトで様々な形式のノートを作成できます。
罫線、方眼、ドットなどはもちろん、簡易カレンダーや音楽の五線譜、ギターのタブ譜なども選択可能。
一つのノート内で異なるテンプレートを組み合わせて使うこともできます。
また無料で手帳やカレンダーのようなPDFのテンプレートを配布しているサイトもたくさんあるので、こういったファイルをGoodnotesにインポートして利用するのもおすすめ。
公式Link;テンプレート ダウンロード – Sony
GoodNotes 5ではできないこと
- 音声録音
- ページの右開き
- ページの見開き2P表示
- アプリのパスコードロック
- ノートにパスワードを設定
GoodNotes 4との違い
GoodNotes 5はアップデート版としてリリースされたばかりのこともあり、2019年1月現在、GoodNotes 4より不便になった点がいくつかあります。
おそらく今後改善されていくと思われるので、GoodNotes 4からの移行はしばらく様子を見たほうがいいかもしれません。
PDFの目次(アウトライン)からジャンプできない → アップデートされましたが全然ダメです
2月下旬のアップデートによりアウトライン機能が実装されましたが、「GoodNotes 5内でしか表示できない固有の機能」なので使い勝手が悪いです。外部から取り込んだPDFファイルのブックマーク(目次)が表示されないのも相変わらず。
PDFファイルに埋め込まれた目次がGoodNotes 5では表示されません。
クラウドドライブへの自動バックアップができない→2020年1月中旬のアップデートで実装されました
約1年かかりましたが、2020年1月中旬のアップデートでGoogle Drive、Onedrive、DropBoxへの自動バックアップ機能がやっと実装されました!
GoodNotes 5と4の主要な変更点 まとめ
- 進化した点
- ペンの種類、および切り替え
- テキスト入力のデザイン設定
- 円、四角形の中身を着色
- 投げ縄で後から要素を回転
- 縦スクロールのページめくりが可能に
- 縦書きのOCRテキスト認識、および検索(「縦の手書き文字」の認識、検索は非対応)
- フォルダによるわかりやすいファイル管理
- ノートのお気に入り登録による簡易アクセス
- ノートの内容を対象とした全ファイル横断検索機能
- 編集可能なPDFとして書き出し(一部のファイルではアプリがクラッシュするので使用不可)
- クイックノートによる即時メモ書き
- 退化している点(いずれアップデートで修正される、はず)
クラウドドライブへの自動バックアップ不可→修正済み- PDFの目次表示不可
バックアップファイルの出力がPDFに変更できない→修正済み