2016年からiPhoneで利用できるようになった「モバイルSuica」が、2017年ついに東海道・山陽新幹線の予約サービス・チケットレス乗車にも対応しました。
この記事では、モバイルSuicaで新幹線を利用する方法、東海道・山陽新幹線を予約できる2つのサービス「スマートEX」、「エクスプレス予約」」について詳しく解説します。
iPhoneのモバイルSuicaで予約・乗車できる新幹線
対応新幹線の早見表
モバイルSuica | エクスプレス予約/スマートEX | |
---|---|---|
JR東日本 | ||
北海道新幹線 | ◯ | |
東北新幹線 | ◯ | |
山形新幹線 | ◯ | |
秋田新幹線 | ◯ | |
上越新幹線 | ◯ | |
北陸新幹線 | ◯ | |
JR東海 | ||
東海道新幹線 | ◯ | |
JR西日本 | ||
山陽新幹線 | ◯ | |
JR九州 | ||
九州新幹線 | × | × |
九州新幹線以外はiPhoneとクレジットカードだけあれば乗車することが可能です。
JR東日本の新幹線はモバイルSuicaアプリで予約
「モバイルSuica」はJR東日本の提供するサービスなので、JR東日本が管理する新幹線(北海道、東北、山形、秋田、北陸、上越)はSuicaアプリだけで予約・乗車ができます。
アプリ内で新幹線を予約して、iPhoneを改札にタッチして入場するだけでOK。
モバイルSuicaについては別の記事で詳しく解説しています。
関連:【iPhone8/X】Apple PayのSuicaに関する疑問をすべて解決します!
東海道山陽新幹線は別のサービスに登録が必要
JR東海、JR西日本が管理する東海道・山陽新幹線(名古屋・大阪・博多方面)はモバイルSuicaアプリだけでは予約ができません。
iPhoneでこれらの新幹線の予約・チケットレス乗車を利用するには、
いずれかのサービスに別途会員登録しなければなりません。これらのサービスでチケットを予約し、切符の代わりにiPhoneのモバイルSuicaを使って入場する、という流れになります。
スマートEx | エクスプレス予約 | |
---|---|---|
年会費 | 不要 | 1000円(税抜) |
決済用のカード | あらゆるクレジットカード | エクスプレス予約に対応したクレジットカード |
割引 | 窓口購入とほぼ同じ価格 | 1年中会員専用の割引価格 |
会員登録 | 即時 | 申し込みから少し時間がかかる |
以下では、2つのサービスを詳しくみていきます。
iPhoneでスマートExを利用する
スマートExは2017年9月からサービスを開始した新幹線の予約サービスです。
スマートExはクレジットカードとSuica、PASMOなどの交通系ICカード(モバイルSuicaも可)だけで登録、利用が可能で年会費も無料。
一度登録を済ませれば、その時点でブラウザ、またはアプリから簡単に新幹線の予約が可能。アプリはTouch IDによるログインにも対応しています。
年会費がかからないかわりに新幹線の割引額はエクスプレス予約より小さくなっています。
スマートExにiPhoneのモバイルSuicaを登録するには「SuicaのID番号」が必要です。この番号はモバイルSuicaアプリの「i」マークをタップすると表示されます。
公式Link:スマートEXに登録 – JR東海
iPhoneでエクスプレス予約を利用する
Apple PayのモバイルSuicaは2017年10月23日からエクスプレス予約に対応しました。
エクスプレス予約は新幹線の割引額が大きい
エクスプレス予約は年会費が1000円(税抜)かかりますが、繁忙期も含めて1年中会員専用の価格で新幹線に乗ることができます。
通常の窓口価格 | エクスプレス予約 | 差額 | |
---|---|---|---|
名古屋まで | 11090円 | 10110円 | ▲980円 |
新大阪まで | 14450円 | 13370円 | ▲1080円 |
広島まで | 19080円 | 17660円 | ▲1420円 |
博多まで | 22950円 | 21320円 | ▲1630円 |
東京〜新大阪間で1回新幹線に乗れば年会費をペイできるので、新幹線の利用頻度によっては簡単に元をとることができます。
またエクスプレス予約では最大6人分(子供も可)のチケットを購入できることに加え、3日前、3週間前までの予約による早得割引もあるので、家族旅行や帰省に新幹線を利用している人ならさらにお得になります。
公式Link:Ex予約サービスの値段一覧(PDF) – JR東海
繁忙期にエクスプレス予約会員専用の早期予約枠がある
年末年始、GW、お盆など新幹線チケットの争奪戦が起こる時期では、エクスプレス予約会員のみ通常より数日早く予約申し込みが可能。
もちろんエクスプレス予約会員専用の早期予約枠も数に制限があるので100%チケットを確保できるわけではありませんが、繁忙期は非会員よりも遥かにチケットの入手がしやすくなります。
ポイントでグリーン車に乗れる
エクスプレス予約で新幹線に乗車すると、「グリーン特典」というポイントがもらえます。
このポイントが一定数貯まると、のぞみ、ひかり、こだまのグリーン席を指定席と同じ料金で利用することができます。
公式Link:グリーンプログラム – JR東海
みずほ、さくら、つばめを利用した場合でもポイントは貯まりますが、これらの新幹線のグリーン席をポイントで利用することはできません。
また下記の「プラスEx会員」もグリーンプログラムの対象外となります。
エクスプレス予約には3種類の会員がある
エクスプレス予約はスマートExとは異なり、指定されたクレジットカードを所持していないと会員登録ができません。利用する決済用カードによって、以下の3種類の会員に分かれます。
決済用カード | 会員の種類 |
---|---|
JR東海エクスプレス・カード | エクスプレス・カード会員 |
ビューカード | ビュー・エクスプレス特約 |
その他の対応クレジットカード | プラスEx会員 |
エクスプレス・カード会員
「JR東海エクスプレス・カード」を決済用に登録する場合は「エクスプレス・カード会員」に分類されます。
これらのカードが手元にある状態でiPhoneのモバイルSuicaアプリを開き、「エクスプレス予約」の項目から登録を行います。
モバイルSuicaアプリを最新版にアップデートしないとこの項目は表示されません。
ビュー・エクスプレス特約
iPhoneのモバイルSuicaアプリに「ビューカード」を支払い用カードとして登録している人は、アプリ内からエクスプレス予約に会員登録ができます。
エクスプレス予約の支払いもモバイルSuicaに登録したビューカードで行います。
ビューカードは唯一Suicaのオートチャージに対応している他、モバイルSuicaのチャージに1.5%(現金換算)のポイントがつくので、全国のコンビニ、UNIQLO、イオンなどの買い物をモバイルSuicaで行うことで日常的に大量のポイントを貯めることが可能。
モバイルSuicaの定期、グリーン券購入なども同様のポイントが付与されるので、iPhoneでエクスプレス予約に登録するならこの「ビュー・エクスプレス特約」が一番オススメ。
ビックカメラSuicaカードは年1回の利用で年会費が無料になる唯一のビューカードなので、ぜひモバイルSuica用のカードとして作っておくといいでしょう。
公式Link:ビックカメラSuicaカード
ビューカードはWalletアプリではなくSuicaアプリに登録しておく
iPhoneのモバイルSuicaを利用するには、支払い用のカードを
- モバイルSuicaアプリに登録
- Apple PayのWalletアプリに登録
または
する方法があります。
ビューエクスプレス特約に申し込むには、モバイルSuicaアプリの方にビューカードを登録しなければなりません。
ビューエクスプレス特約に申し込む
アプリからビューエクスプレス特約に申し込むと数日後に会員証が届きます。この書類を受け取った後、正式に「エクスプレス予約」に登録を行う流れになります。
プラスEx会員
上記以外のクレジットカードでも、一部エクスプレス予約に登録できるカードがあります。手持ちのクレジットカードが利用できるかどうかは公式↓ページで確認が可能です。
公式Link:エクスプレス予約に登録できるカードを調べる – JR東海
このプラスEx会員はポイントでグリーン車に乗れるグリーンプログラムは対象外になるので注意が必要です。
エクスプレス予約に登録する詳しい手順は別記事↓で詳しく解説しています。
関連:iPhoneのモバイルSuicaでエクスプレス予約に登録する詳細手順
モバイルSuicaでスマートEx、エクスプレス予約を利用する場合の注意点
iPhoneのモバイルSuicaは電池が切れると使えない
2018年モデルのiPhone XS / XS Max / XRは予備電源により電池切れから約5時間経過するまではモバイルSuicaが使えるようになりました。
iPhoneのApple Pay機能は電源がオフの状態だと利用できません。電池切れには細心の注意が必要です。
モバイルSuicaで改札を通過できるのは1人の時だけ
スマートExやエクスプレス予約では6人分の新幹線チケットを同時に予約することができます。エクスプレス予約の場合、もちろん他の人のチケットも会員価格で購入可能。
ただしモバイルSuicaで新幹線の改札に入場できるのは1人のときだけになります。2人以上のチケットを予約したときは券売機や窓口で入場用のチケットを受け取る必要があり、iPhoneとモバイルSuicaだけで新幹線に乗ることはできません。
公式Link:きっぷを受け取って乗車する – JR東海
特定都区市内の料金は適用されない
JRでは、200km以上の長距離切符を買うと都市部の指定された範囲内で自由に乗車、降車する駅を選ぶことができる特例があります。
公式Link:運賃計算の特例 – JR東日本
例として、中野駅→中央線で東京駅→新幹線で新大阪駅へ→東海道線で大阪駅へ、というルートを考えてみます。
このケースでは、紙の切符を使う場合は上記の特例が適用されるので、東京駅から新大阪駅までの乗車券を購入すれば「中野駅〜東京駅」、「新大阪駅〜大阪駅」の在来線区間も移動することができます。
しかし、スマートExとエクスプレス予約では「東京駅から新大阪駅の間」の乗車券しか購入できないので、「中野駅〜東京駅」、「新大阪駅〜大阪駅」の在来線区間の料金が別に必要になります。
対策として、エクスプレス予約には特急券だけを会員価格で購入できる「e特急券」という仕組みが用意されています。
公式Link:e特急券 – JR東海
JRの在来線と新幹線を乗り継ぐ場合、ルートによってはe特急券+窓口で購入した乗車券の方が安くなることがあります。
e特急券は予約後に切符を受け取る必要があるので、iPhoneのモバイルSuicaだけでは改札に入場できません。
どちらの購入方法が安くなるかを調べるには、公式↓に料金比較ツールが用意されているのでこちらで計算してみましょう。
公式Link:Ex予約運賃ナビ – JR東海