車中泊やキャンプのスタイルを劇的に変化させるポータブルバッテリー。
近年はうるさい発電機の使用禁止を掲げている場所が増えたことや、リチウムイオンバッテリーの価格が下がってきたこと、さらに停電など災害時の電源確保にも有用なことから急速に人気が高まっています。
その中でも、今回はAnker Powerhouseを実際に購入、使用してみたのでレビューしてきます。
Anker Powerhouseをレビュー
Anker Powerhouseのサイズと重さ
大きさ | 20×16.5×14.5cm |
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重さ | 4.2kg |
動作環境 | -10〜40℃ |
Anker Powerhouseのサイズ感は想像以上に小ぶりです。イメージとしては、500ml缶の半ダースセットを一回り小さくした感じ。
重さは4kg以上あるので決して軽くはありません。しかし上記の通りサイズは小さく-10℃までは動作するため、災害時に避難所などへ持ち出す場合も決して邪魔にはなりません。
丈夫な取っ手がついているので日常の持ち運びは楽々。
Anker Powerhouseのバッテリー性能
電圧 電流 | 電力 | |
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電池容量 | 14.4V | 434W |
インプット | 16.8V 8A | 134.4W |
DCアウトプット | 12V 10A | 120W |
ACアウトプット | 110V 1.09A 60Hz | 119.9W |
USBアウトプット | 5V 6A※ | 30W |
※ USBは一つのポートあたり2.4Aが上限
容量は434W / 120,600mAh
近年ポータブルバッテリーが注目を浴びているのは、なんといっても実用レベルの容量の製品が安価で購入できるようになったのが大きな要因。
Anker Powerhouseの容量は434W / 120,600mAhになります。
ただし、AC電源で電力を取り出す場合、交流に変換する際のロスが発生するため約2割ほど使える容量が減ります。これはこの製品特有の仕様ではなく、技術的な問題なので仕方がありません。他社のモバイルバッテリーでも同様の現象が起こります。
DC、ACどちらでも利用できる機器は出来る限りDC電源(またはUSB)を利用したほうが長時間使うことができます。
一般的な消費電力/電池容量 | Anker Powerhouseで使える時間/回数 | |
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スマホ | 3000mAh | フル充電40回 |
ノートPC | 6000mAh | フル充電20回 |
デジタルカメラ | 2000mAh | フル充電60回 |
扇風機 | 30W(中) | 12時間 |
電気毛布 | 40W | 8時間以上※ |
直流湯沸かし器 | 110W | 3.5回 |
ポータブル冷蔵庫 | 40W | 10時間以上※ |
※ 冷蔵庫や電気毛布は周囲の温度、冷え/温まり具合によって消費電力が変化するのであくまでも目安。
ACの出力は120W
AC電源の出力は120Wになります。それ以上の定格出力の機器で利用している人もいるようですが、出来る限り120W以内の機器のみの利用に限ったほうが懸命。
アウトドアや車中泊で使いたいと思うような電化製品はほぼ120W以内で使えるものばかりです。
複数の出力を同時に利用可能
Anker Powerhouseの使い方はシンプル。前面にあるポートに給電したい機器を接続して、端子の上にある電源ボタンを押すだけです。
出力タイプごとに電源ボタンは独立しているので、DCならDCの電源ボタン、USBならUSBの電源ボタンを押す必要があります。もちろん複数の出力を同時にオンにすることも可能。
Amazonにはバッテリー容量が各端子ごとに割り振られている、という低評価レビューがありますが、僕が利用した限りでは約30Wの扇風機が10時間以上使えますしそういった事実は確認できませんでした。
充電には約1晩かかる
バッテリーの充電は付属の専用ACアダプタを介して行います。
ポータブルバッテリー本体の充電にかかる時間は、家庭用のACコンセントで約1時間につき10%程度。
残量ゼロからフル充電にするには1晩かかります。インバーターを介せば走行中の車のシガーソケットからも充電できますが、かなりの長距離を走らない限りそこまで充電はできないでしょう。
またパススルー機能はないので、本体の充電と給電を一緒に行うこともできません。
太陽光パネルからの充電にも対応
AnkerはこのPowerhouseに対応したソーラーパネルの正規品を販売している→(Anker PowerPort Solar 60w)ので、コンセントのない場所でも本体の充電ができます。
またDCのアウトプット端子に対応しているソーラー発電パネルであれば、他社の製品からでも一応充電は可能です。
Anker Powerhouseを実際に車中泊で使ってみた感想
春、夏、初冬に実際にAnker Powerhouseを持って1週間前後の車旅(1人)へ行ってきました。
- 携帯した電化製品
- スマホ
- ノートPC
- ミラーレスカメラ
- 扇風機
- 電気毛布
など
スマホやデジカメについては、走行中のシガーソケットからの充電や小型のモバイルバッテリーも併用。
春の車中泊
扇風機も電気毛布も不要な気候では、Anker Powerhouseの容量はもてあますレベル。1週間の旅を終えても半分以上のバッテリー残量がありました。
夏の車中泊
夏は外気温28℃ほどの環境で車中泊を行いました。利用したのは車用の網戸+扇風機。
扇風機は弱ならば20W程度で動くので、1日6時間睡眠で3泊した後にモバイルバッテリーの残量がなくなりました。
初冬の車中泊
冬は外気温3℃の環境で車中泊を行いました。利用したのは電気毛布。
電気毛布も扇風機と同様温度を少し低めに設定すれば20~30Wで動くので、夏と同じく3泊でバッテリー容量が0になりました。
ちなみに、車内は窓ガラスを通じて外気温の影響を受けるので、寒さ対策には電気毛布よりもまず高性能なシェードを用意するのが先です。
アイズのマルチシェードがあれば、外気温0℃くらいまでは電気毛布なしでも安眠できます。
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まとめ
あくまでも一人旅、かつ移動時間と就寝時のみ車の中にいる、という条件下ですが、扇風機、電気毛布ともに出力を調整することでAnker Powerhouseだけでも最低2泊分の電力は確保できるので週末旅行ならば余裕で対応できます。
3日に1回は電源付きのキャンプ場やRVパーク、またはホテル泊などを挟んでモバイルバッテリーの充電を行えば長旅もOK。
旅に出ていないときは家庭の非常電源としての役割も果たすので、キャンプや車中泊が好きな人には絶対にオススメです。
Anker Powerhouseは1年半の保証がついており、Amazonの注文番号(アカウントの注文履歴からいつでも閲覧可)だけあればすぐに交換対応もしてくれるのでサポートも◯。
上記の理由でAmazonから正規品を購入するのが一番です。どうしてもオークションなどから購入する場合、保証の有無、Amazonの注文番号を教えてくれるかどうか(注文番号から個人情報が漏れることはありません)の2点を必ず確認しましょう。