【南アルプス】快適すぎる山小屋 「聖平小屋」に泊まった!

聖平小屋の外観

先日南アルプスの名峰「聖岳」に登頂する際に、山小屋 聖平小屋で宿泊してきたので詳細をレポートします。標高2000m以上の場所にあるとは思えないほど快適な環境が整っていて、従来の山小屋のイメージが覆されるような素晴らしい場所です。

聖平小屋のアクセス

聖平小屋

聖平小屋は南アルプス 聖岳登山口から5〜6時間登ったところにある山小屋です。聖平小屋のすぐ近くに分岐点があり、聖岳山頂、大河内岳山頂まで2時間半ほどで辿り着くことができます。

聖平小屋は静岡市が運営しており、井川村観光協会を通じて事前予約が可能です。聖平小屋に宿泊することで、井川村が運営する無料送迎バス(井川駅〜畑薙大吊橋〜聖岳登山口)に乗車することができるようになります。(テント泊は対象外)

聖平小屋の基本情報

料金
素泊まり4500円
シュラフ+1000円
個室+2000円/人
テント700円/人

消灯は20時。有人営業は夏季のみですが、冬季も小屋は解放されており宿泊が可能です。無人の時期は防寒の寝具を持参する必要があります。

聖平小屋のここがスゴイ

水が使い放題

南アルプスの天然水

聖平小屋は沢沿いにあるため、本物の「南アルプスの天然水」を好きなだけ使うことができます。南アルプス南部は数日かけて縦走する人が多いと思いますが、お風呂に入れない間もタオルで体を拭いたり、歯磨きをしたりすることができます(もちろん石鹸や歯磨き粉の使用は×)。

頭から水浴びをしているワイルドな若い女の子も何人かいました。

トイレが水洗

水が豊富にあるということで、清潔な浄化槽付き水洗トイレが完備されています(洋式の便座まである)。ペーパーは流さずにゴミ箱に捨てる決まりになっており、毎朝掃除の時間に焼却処理しているようです。

山小屋からトイレまではほんの少しだけ離れているのですが、裏を返せば臭いが山小屋に届かないように配慮されているということもできます。下山時に通った時は全く臭いもせず、丁寧に掃除がされているようでした。

清潔な室内

聖平小屋の室内

聖平小屋は綺麗なログハウス、という雰囲気でとても居心地がいいです。1階が受付、食堂、就寝スペース、2階が個室となっています。食堂にはTVがあり、お食事時以外は談話室として解放されています。TVはBSのみ視聴可能。

物干し用のロープやハンガーも完備されています。

自由に利用できる備品

休憩スペース

山小屋の周辺にはベンチ、チェアのスペースがあるほか、サンダル、長靴、傘の貸し出しもあるのでトイレに行く時にわざわざ登山靴を履いたり折りたたみ傘を持ち出したりする必要がありません。

フルーツポンチのおもてなし

フルーツポンチ

山小屋に到着すると1人1杯ずつ美味しいフルーツポンチを振舞ってもらえます。

LEDランプ

消灯時間帯でも山小屋の入り口にはセンサー式のLEDランプがあるので、わざわざ懐中電灯などを持ち出す必要がありません。

道を照らすLED

トイレまでの道にもLEDランプが設置してあり、さらに山小屋の外からまるで月明かりのようにLEDランプの光が差し込むような作りになっています。眠りを妨げずに明るさを確保するような心配りがされていて驚愕。消灯時の電力は昼間の太陽光発電+バッテリーでまかなわれているようです。

聖平小屋のテント場

聖平小屋ではテント泊も可能。一泊700円/人になります。テント場は平でちょっと石をどけるだけで簡単に設営できる上、物干し用のパイプや休憩用のベンチなどもあるため使いやすいです。

聖平小屋のテント場

山小屋の近くだけでなくテント場にも水道が引いてあり給水も楽々。トイレに近い場所に設営もできるので自由がききます。

テント場の水道

テント泊の方がおすすめ

今回初めて山小屋に泊まったのですが、山小屋内はおっさんのイビキの大合唱、汗臭いにおい、トイレまで遠い、など素人にはキツすぎる環境。南アルプスはアプローチが大変なこともあって数日に渡る縦走をしている人が多く、風呂に入っていない人間の体臭+洗濯されていない衣服の臭いなどが漂っており一般人には耐え難い環境です。

どこでも熟睡できる、という人以外は多少荷物が増えてもテント泊をした方が体調には良い影響があると思います。ちなみにテント場はモンベルのステラリッジテントだらけでその人気を改めて感じました。

聖平小屋の食事

聖平小屋は飲食メニューも充実しています。11:00~14:00まではランチ営業もあり、カレーがたった500円で食べられます。ビールなどお酒類も充実しており、価格もアプローチ困難な標高2000mの秘境ということを考えれば安すぎるレベル。

聖平小屋のメニュー

山小屋に宿泊した際の食事は上記とは別メニューになります。(テント泊で食事だけ山小屋で済ますことも可能)

朝食1000円
時間4:00~
夕食2000円
時間16:30~
お弁当500円

夕食は16:30から25分間、人が多い場合は10分開けて二巡目が始まります。ゆったりビールなんて飲んでる時間がないほどせわしなくて焦りました…。朝食は朝4:00から同じく25分ずつになります。

聖平小屋の夕食

この日の夕食はアマゴに具沢山の汁、おかわり自由のご飯がついて2000円。ぱっと見では2000円はぼったくりのように感じますが、山小屋の料理としてみればとても充実した内容に感じます。聖平小屋に限らず、南アルプス周辺の山小屋では刺身やトンカツなど手間をかけた料理を出してくれるところが多いそうです。

アマゴ

ドコモ携帯は使える

南アルプス一帯は一部の稜線沿いを除くとほぼ全域で携帯電話が圏外であり、インターネットはおろか通話もできず連絡手段に困ります。

聖平小屋もその例外ではないのですが、すぐ近くの聖岳、大河内岳方面への分岐地点(小屋から徒歩1分)まで行くと急にドコモの3Gのみが通信可能になります。速度は遅いですが、ドコモユーザーならばここで外部と連絡をとったりメールチェックをしたりできます。

聖平分岐点

最近ではドコモの3Gは圏外でもauやsoftbankのLTEが受信できる、という場所があったりもしますが、やはり僻地はドコモが強いです。夕食時に相席したご老人も山に登るのにドコモ以外の携帯を使ってるのはありえないとおっしゃってました。

聖平小屋の混雑は?

僕が訪れた日は8月半ばの平日だったこともあり、山小屋、テント場ともに余裕がありました。ただ山小屋の就寝スペースは番号が平時と混雑時用の2パターンに分けて書いてあり、混雑時はかなりの人が来るのだろうということを感じさせます。

とはいえこの辺りはとにかくアプローチが大変なので、外国人や学生の山岳部でごった返す北岳のような混雑にはならないのでは、という気もします。テント場はかなり広いので、上記のような理由もありテント泊をするのが一番の対策になると思います。

雑記

南アルプス周辺の山小屋のホスピタリティーはちょっと想像以上で、劣悪な環境の山小屋を経験してきたベテランの登山好きの人が訪れたら逆に怒りだして最近の山小屋は云々かんぬんとか言い出しそうな雰囲気。

水場も多く、夏場は現金さえあれば食にも困らないため(もちろん非常食の携帯は必須)、初心者が数日に渡る縦走を経験するなら南アルプスの南部は最適な環境といえるかもしれません。