【鳳凰三山】御座石鉱泉から観音岳、地蔵岳に登る!

地蔵岳のオベリスク

南アルプスの北部、鳳凰山に御座石鉱泉から登ってきました。アプローチ、ルート選びなどが複雑なのでその辺りも含めて紹介します。

鳳凰山のアクセス

鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)の登山口はいくつかありますが、代表的なのは青木鉱泉、御座石鉱泉、夜叉神峠(やしゃじんとうげ)の3つです。夜叉神峠には駐車場もありますが、基本的には甲府駅からバスでアプローチして青木鉱泉や御座石鉱泉に降りる、というルートになると思います。

車で行くなら青木鉱泉か御座石鉱泉を選ぶ人が多いでしょう。

青木鉱泉と御座石鉱泉

青木鉱泉と御座石鉱泉は車で10分、徒歩50分程度の距離にあり、中央道 韮崎ICから40分ほどかかります。道中は狭く舗装されていない箇所も多いので、車高の低いスポーツカーなどは通行できません。

タクシーやバスも通るので普通車でも大丈夫ですが、個人的にマイカーでは二度と通りたくないと思うほどの悪路です。JR韮崎駅からバスも出ているため、そちらを利用するのも賢明な選択肢だと思います。

御座石鉱泉のバス停

遠回りになりますが、甘利山を経由してアプローチすると道が多少マシになります。こちらからであれば、青木鉱泉、御座石鉱泉のすぐ手前の区間以外はすべて舗装路を走る事が可能です。

青木鉱泉と御座石鉱泉、どちらがいいか?

青木鉱泉と御座石鉱泉は、どちらも宿泊、入浴が可能な山小屋になります。経営者同士の仲が悪いらしく、Google検索では御座石鉱泉側が青木鉱泉に散々嫌がらせをしていたという悪評が目立ちます。

基本情報の比較
青木鉱泉御座石鉱泉
宿泊
お風呂
駐車場700円無料(市営のため)
アプローチ×

結論からいうと、登山口としては青木鉱泉の方がおすすめです。まず御座石鉱泉の手前の道はとんでもなくエグれている場所があり、僕も実際に車のお尻を擦ってしまい泣きそうになりました。青木鉱泉の方も舗装はされていませんが、道のコンディションはマシです。

また青木鉱泉からだと綺麗に鳳凰三山を回って一周してくる事ができるので、ルートの面でも有利。

ただ僕が訪れた日は、青木鉱泉のお風呂は営業していませんでした。宿泊者が少ないとお風呂を沸かしていないことがあるようなので、その点は要注意。駐車場代もかかりますが700円はケチるほどの金額ではないでしょう。

鳳凰三山のルート

鳳凰三山の登山コース

定番のルートは、青木鉱泉からドンドコ沢と呼ばれる滝見コースを登り、鳳凰小屋から地蔵岳→観音岳→薬師岳と歩き、中道コースで青木鉱泉へ戻る、というパターンです。初心者以外は1日で日帰りも可能なルートと言われています。

僕もこのルートで行く予定だったのですが、道の通行止めや悪天候などトラブルが重なり、御座石鉱泉から登るルートに変更を余儀なくされました。御座石鉱泉から観音岳まで4時間半、地蔵岳から御座石鉱泉まで3時間ほど。

御座石鉱泉から観音岳、地蔵岳に登る

御座石鉱泉から燕頭山

御座石鉱泉に車を停めてスタートします。こちらの駐車場は山小屋ではなく市が経営しているので無料。山小屋で登山届けを書く際に、登山帰りの入浴に勧誘される仕組みなっています。

御座石鉱泉の駐車場

入浴は1100円ですが、先に予約をしておけば1000円に割引してくれるようです。この御座石鉱泉と上にある鳳凰小屋の経営者は同じです。前評判を知ってから訪れると、確かになんとなくガメつさを感じるような気もします。全く清潔さを感じられなかったので、今回はお風呂はパスしました。

登山道はスタートからしばらく登りが続きます。

登山道入り口

自然度の高い雑木林とコンクリで固められた斜面がミスマッチ。

観音岳の登山道

コンクリで固められた斜面

このルートではキノコがたくさんありました。

紫のキノコ

赤いキノコ

毒キノコの代表格、ベニテングダケも。

開く前のベニテングダケ

ベニテングダケ

途中、見晴らしのよさそうな場所もありましたがガスまみれで何も見えず。

ガスまみれの登山道

2時間ほど歩くと平坦な草むらを突っ切る道にでます。ここが燕頭山になります。

燕頭山周辺の草むら

燕頭山の読み方は、「つばくろやま」、「つばくろあたまやま」、「つばくらあたまやま」など色々ありどれが正しいのかは不明。

燕頭山の山頂

燕頭山の標識

燕頭山〜鳳凰小屋〜観音岳

燕頭山を過ぎるとしばらく平坦な道が続きます。歩きやすいですが標高が上がらないということなので時間がかかるとも言えます。

平坦な山道

鳳凰三山の特徴である白い砂がちらほら現れます。

白砂の道

周囲の植生も徐々に高山帯のものに変わってきます。

ダケカンバに囲まれた道

どんどん進んでいくと鳳凰小屋に到着です。

鳳凰小屋

鳳凰小屋のベンチ

テント場は平で使いやすそう。水場もあります。

鳳凰小屋のテント場

鳳凰小屋の水場

この鳳凰小屋、ネット上での評判がすこぶる悪いのですが、この日働いていた若いスタッフは愛想もよかったです。立派な公式HPやTwitterもありますが、このHPに写っている御仁が青木鉱泉への嫌がらせを繰り返していたと噂される人なのでしょうか?

鳳凰小屋からは地蔵岳、観音岳への分岐があります。本当は地蔵岳→観音岳→薬師岳と進み青木鉱泉を経由して帰ろうかと計画してたのですが、天気が崩れそうだったので予定を変更。薬師岳はあきらめ、先に最高峰である観音岳に登り、地蔵岳を経由して下山することにしました。

観音岳、地蔵岳方面の分岐

沢を渡り斜面を登っていきます。

沢渡

急斜面を登りきると、森林限界を迎え白砂に囲まれた異世界が広がります。

急斜面

鳳凰分岐点

ここが観音岳と地蔵岳の分岐点になります。標識では40分と書かれていますが、そこまで時間はかかりません。

鳳凰分岐点の標識

晴れていれば素晴らしい景色の道のはずですが、この日はガスまみれ。

ガスまみれの稜線

ガスまみれの稜線

山の上とは思えない砂の足場をたどっていくと観音岳の頂上2841mに到着。御座石鉱泉からは4時間半ほどでした。

観音岳の山頂

観音岳山頂の標識

晴れていれば素晴らしい眺望が望めるようで、本当に残念。また観音岳〜薬師岳の稜線もとても素晴らしい道らしいので、いつか再挑戦したいです。

観音岳から北岳を望む

観音岳の眺望 wikipediaより

観音岳〜地蔵岳〜鳳凰小屋

読み通り雨が降ってきたので急いで地蔵岳へ向かいます。

地蔵岳へ向かう道

ほんの少しだけ晴れ間もあり、地蔵岳のオベリスクを拝むことはできました。

つかの間の晴れ間

地蔵岳のオベリスク

山頂付近はタカネビランジがたくさん咲いていてとても綺麗でした。

鮮やかなタカネビランジ

なぜかこんな高いところにカエルもいました。カエルは本能的に山に登る、という話はたまに耳にしますが、まさか標高3000m近いところにいるとは…

山頂にいるカエル

そうこうしている間に広い地蔵岳の山頂に到着。

地蔵岳の山頂

有名なお地蔵さんもいます。

地蔵岳山頂のお地蔵さん

地蔵岳山頂の標識

ここでこの日一番の大雨となり、オベリスクの下まで行くことなく撤退。大急ぎで下ります。

地蔵岳から鳳凰小屋へ向かう道

地蔵岳の山頂付近は砂地になっており、下りは超楽ですが、登りは結構大変そうです。

地蔵岳山頂付近の砂

結局、登山道は雨で沢のようになり大変な目にあいました。予定を変更したのは大正解だったようです。下りは3時間程度でした。

登山道を流れる雨水

雑記

予定通りにはいきませんでしたが、山頂周辺の独特の雰囲気や綺麗なビランジは見ることができたので多少救われました。いつか晴れた日に再挑戦してみたいという気もするし、もう車であの道を通りたくないと思ったりもします。