日本の”リズム”を捉えた鮮やかなタイムラプス「At the CONFLUX」

アメリカ人クリエイターのJustin Tierney氏によって動画共有サイト「vimeo」に投稿された、日本を題材とするタイムラプス動画プロジェクト「At the CONFLUX」が大きな話題を集めています。日本人ならその美しすぎる映像美に感動してしまうこと間違い無し!まだ見ていない人は必見です。

At the CONFLUX

映像作品「At the CONFLUX」は全3部作が公開される予定で、2016年6月より順次アップロードされています。何よりまず作品を体験してみましょう。

Aerial Arterial—Tokyo From Above

1作品目は、スカイツリーの展望台から撮影された東京の夜景から始まります。この作品では高所から見た東京の巨大な建造物にスポットが当てられています。

タイトルの単語、Aerialは空気の、Arterialは動脈のような、といった意味の形容詞です。ビルの隙間を縫うように走る車や電車の軌跡が、空から見るとまるで流れる血液のように見える、といった解釈でしょうか。

Tokyo Aglow

2作品目は、1作品目とは反対に東京の地面の上から見た人、電車、車の動きを捉えた作品です。ゆりかもめの車窓シーンから始まり、タクシー、渋谷のスクランブル交差点、東京駅の前を行き交う人々など、東京の人や乗り物の動きにフォーカスされています。

In Praise of Shadows

3作品目は、全2作とは異なり夜明けの明るい大阪駅のシーンから始まります。この作品も電車、モノレール、タクシー、人力車、エスカレーター、さらには回転寿司のベルトコンベヤなど、「日本の輸送システム」に焦点をあてた作品となっています。

タイトルである「In Praise of Shadows」は、谷崎潤一郎のエッセイ「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」の英訳タイトルからとられたものです。この動画作品は夜明けから始まり日没のシーンで終わるようになっており、谷崎の著書で語られている陰影を重視する日本人の美的感覚を表現するようなつくりになっています。

Justin Tierney氏のプロフィール

Justin Tierney氏はアメリカ人のタイムラプスクリエイター、作曲家です。今回の作品「At the CONFLUX」では作曲、ピアノ、チェロ、バイオリン、琴、ひちりきの演奏も手がけています。

名門エール大学、タフツ大学の修士号を持ち、現在はデューク大学の博士課程在学中というとても聡明な方のようです。

「At the CONFLUX」とは?

「At the CONFLUX」は、Tierney氏の好きな3つのこと、すなわち

を融合した、Tierney氏の情熱を傾けたプロジェクトだと言います。

I wanted to use time-lapse as a tool to bring out the larger rhythms of the city and its people.

日本語には訳しづらいですが、日本の街や人のlarger rhythmsを表現した作品群と述べられています。

素材となる映像は2014年、2015年の5月〜6月の日本旅行の際に撮影されたものだそうです。2015年11月より作曲と並行して編集が進められ、この度ついに動画が公開されました。制作期間は2年以上というのも納得の素晴らしい作品となっています。

タイトルにあるCONFLUXという単語は、人の流れという意味を表すconfluenceと同義語であり、映像を見ればタイトルに込められた意味を感じ取ることができます。

撮影機材

「At the CONFLUX」は、

で撮影されたraw画像をAdobe Lightroomで現像、Adobe Premiere Proで編集して作られています。

レンズなど詳細な機材については公式HPで公開されています。

まとめ

撮影ロケ地のリストには大阪や京都、愛媛の道後温泉なども含まれており、今後の続編では東京以外の美しい映像で僕たちを楽しませてくれそうなので期待が高まります。

作者であるJustin Tierney氏はvimeoにアップロードした動画に寄せられたコメントについて一つ一つ律儀に返信をされているので、「At the CONFLUX」に感動した方はぜひともコメントでTierney氏を応援しましょう。

参考

この記事の執筆にあたって参考にしたサイトは以下。

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