念願だった南アルプスの「聖岳」に登頂するため、静岡県葵区(旧井川村)にある温泉宿 白樺荘に泊まってきました。大井川の上流にあり、過去には皇太子殿下も来訪されたこともある由緒正しき温泉です。平成21年にリニューアルし、日帰り温泉だけでなく宿泊も可能になりました。
白樺荘のアクセス
車の場合
白樺荘は静岡県の葵区にあります。ここは合併前は井川村という名前だったエリアで、東名高速 静岡ICから2時間半、新東名 新静岡ICから2時間ほど下道を走る必要があります。道中はすれ違い不可能なクネクネの山道を延々と走ることになるので運転は大変です。
ただ全ての区間で舗装されていますし、待避所も多いため慎重に走れば危険は少ないです。昼間でもライトを点灯して対向車に自分の存在を知らせるのが暗黙のマナーとなっているようです。
公式Link:白樺荘 – オクシズ
TEL:054-260-2021
駐車場はもちろん無料。登山の場合はチェックインと同時に日程を伝えることになるので、数日に渡る駐車もOKです。大型車も10台分のスペースがあります。
電車、バスの場合
本数は1日2本しかありませんが、静岡駅、または大井川鉄道 井川駅からバスも出ています。時刻表、運賃は頻繁に改定されているため、公式のHP↓をよくチェックする必要があります。
公式Link:井川地区自主運行バスについて(平成28年4月1日改正) – 静岡市
白樺荘に宿泊
白樺荘の宿泊部屋
数年前にリニューアルされて以来、白樺荘は宿泊もできるようになりました。山奥にありますが非常に清潔で綺麗なので安心して宿泊できます。
素泊まり | 4110円(子2050円) |
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チェックイン | 15:00~ |
チェックアウト | ~10:00 |
予約 | 2ヶ月前から |
部屋は2人部屋、または4人部屋があります。ベッドの部屋と和室の2種類あります。
設備はベッド、布団、エアコン、トイレ、テーブル、テレビと最低限。トイレは温水便座が完備。浴衣、タオル、歯ブラシもあるため登山目的の場合は持って行く荷物を減らすことができます。TVはBSしか見ることができません。
ベッドは寝床が少し固かったので、安眠のためには和室の方がいいかもしれません。
白樺荘の温泉(赤石温泉)
白樺荘ではアルカリ性のヌルヌル温泉に入ることができます。かけ流しではなくスイス製の特殊なボイラーで加熱しているそうですが、湯質は非常にいいです。ロッカーは100円返却式の鍵付き。内湯と露天風呂があり、露天からは南アルプス 茶臼岳を眺めることができます。
日帰り温泉 | |
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料金 | 510円(子200円) |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休 | 火曜(繁忙期は無休) |
宿泊者の利用 | |
入浴時間 | 6:00~22:00 |
宿泊は年中無休。冬季は営業時間が17時までに短縮されます。
白樺荘の食事
白樺荘では食事付きで宿泊することもできます。この日はジビエの和定食でした。ニンニク、しょうが醤油につけて頂くのですが、癖がなく美味。料理のクオリティはまあまあ。値段を考えれば特に文句のつけようもないかな、という感じです。生ビール、缶ビールなどお酒も普通の値段で注文できます。
朝食もスタンダードな和定食。ご飯と味噌汁は好きなタイミングで注文でき、おかわり自由です。
11:00~15:00の間は誰でも利用出来る食堂としても営業しており、丼やうどん、そばなどのメニューがあります。値段も1000円以下のものが多くお手頃。食材が残っていれば夜につまみメニューを注文することもできます。
やまめのおろしそばは出汁が効いてておいしかったです。
弁当もあり
登山へ出かける場合は、弁当としておにぎりを購入することも可能。1個170円で2個入りと3個入りがあります。
朝食 | 1030円 |
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時間 | 6:00~8:00 |
夕食 | 1850円 |
時間 | 18:00~20:00 |
お弁当(おにぎり) | 170円/個 |
白樺荘のイマイチなところ
携帯電話は圏外
南アルプス一帯では、一部の稜線沿いをのぞいて携帯の電波がはいりません。WIFIもないので外部との連絡手段には注意が必要です。
アブが多い
土地柄アブが侵入してくるのは仕方がないのですが、スタッフの人もあまり気にしていないようでまったくたたき落としたりする気配がありません。せめてハエたたきでも設置して駆除できるようにしてほしいところ。
白樺荘に宿泊すると畑薙大吊橋、聖岳登山口までの送迎バスに乗車可能
2019年に井川村の送迎バスは運行休止になりました!
聖岳登山口、畑薙大吊橋(茶臼岳登山口)はマイカー進入不可の林道の中にあるため、アプローチするには無料の送迎バスを利用する必要があります。畑薙大吊橋までは林道ゲート前から徒歩40分ほどなので歩くこともできますが、聖岳登山口までは徒歩4時間はかかるのでバスを使わないのは現実的ではありません。
関連:【南アルプス】赤石岳,聖岳,茶臼岳,光岳の登山口への行き方 まとめ
この送迎バスは井川村が運行するものと東海フォレストが運行するものの2種類あり、それぞれが運営する山小屋に1泊することが乗車の条件になります。
テント泊は乗車条件に含まれません。バスに乗るには、どこかで必ず山小屋に泊まる必要があります。山小屋料金を払ってテント泊をする、というのはOKです。
井川村 | 東海フォレスト |
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聖平小屋 | 椹島登山小屋 |
茶臼小屋 | 二軒小屋 |
横窪沢小屋 | 千枚小屋 |
白樺荘 | 赤石小屋 |
その他井川村の指定旅館、民宿 | 荒川小屋 |
百閒洞の家 | |
熊の平小屋 | |
赤石岳避難小屋 | |
中岳避難小屋 | |
高山裏避難小屋 | |
小河内岳避難小屋 | |
椹島ロッヂ |
送迎バスの道中は片道1時間の悪路なので、通常なら片道2000~3000円とられてもおかしくないものです。宿泊費用にバス料金が含まれていると考えれば破格といっていいでしょう。
井川村のバス
井川村のバスは宿を予約してから乗るのが基本になります。提携した宿を確保した時点でバスの運転手さんに予約情報が伝わりバスの席も確保されます。飛び込みでも山小屋に宿泊すると伝えれば乗ることができますが、満席の場合はおそらく乗ることができないので一か八かで突撃するのは危険です。
南アルプスの南部では山小屋に宿泊(テント泊も含む)する度に登山日程を伝えることになっており、衛星電話により送迎バスに状況が伝達され席が予約される仕組みになっています。よって下山時に山小屋に泊まってきたと嘘をついてバスに乗車することはできません。
もちろん登山日程の変更は好き勝手に行っても大丈夫です。
東海フォレストのバス
東海フォレストのバスはまず乗車時に3000円のチケットを購入し、提携した山小屋で差額を支払う仕組みになっており、下山時にバスに乗車する場合は提携した山小屋の領収書と引き換えになります。
縦走で他の登山口に降りるのであれば、3000円だけ払ってバスに乗るということも一応可能となっています(マナー違反ですが)。
白樺荘と椹島ロッヂ、どっちに泊まる?
聖岳、茶臼岳に登頂するために前乗りする場合、白樺荘か椹島ロッヂのどちらかに宿泊することになります。どちらに泊まればいいかを比較してみます。
白樺荘 | 椹島ロッヂ | |
---|---|---|
料金(2食付き) | 7000円弱 | 9000円 |
お風呂 | 温泉 | シャワー |
バスの本数 | 2本/日 | 5本/日 |
時間の融通がきくのは椹島ロッヂ
白樺荘から聖岳登山口までの路線バスは2本しかないため、登山開始の時間が限定されます。
対して、椹島ロッジは送迎バスの本数が多いため、登山口へ行く時間を選べます。徒歩でも1時間ほどで聖岳登山口へ行くことができるため、バスの走っていない早朝から出発することも可能です。
公式Link:椹島(さわらじま)ロッヂ 送迎バス – 東海フォレスト
赤石岳の登山口は椹島ロッヂにあるため、こちらへ登頂する場合はもちろん椹島ロッヂに宿泊することになります。
椹島ロッヂ(東海フォレスト)のバスはバス停が少ない
茶臼岳の登山口となる畑薙大吊り橋には東海フォレストのバスは停車しないため、こちらの登山口を利用する場合は白樺荘(井川村)に宿泊する必要があります。
椹島ロッヂ(東海フォレスト)のバスは下山時に乗車不可
東海フォレストのバスは、聖岳登山口から下山方面(白樺荘方面)に行く場合は乗車できません。よって聖岳登山口へ降りてきて帰宅する場合、一度椹島ロッジまで戻ってからバスに乗らなければなりません。
まとめ
白樺荘は僻地といってもいい立地にありますが、綺麗で清潔感があり温泉の質もいいので非常におすすめです。収容人数は少ないため南アルプス登山へ行く人のほとんどは椹島ロッヂの方に泊まっていますが、こちらの予約がとれるなら白樺荘もぜひ検討してみてください。