Excelができます、と自信をもって言えるようになるための参考書を紹介します。
一般的に求められるエクセルのスキルというのは、決して特別なものではなく使ったことがあればすぐに身につく程度のものです。
最近の若者はエクセルができないなんて愚痴っている先輩方も、元は碌にExcelを使えなかった人たちばかりです。
そういった人たちを見返すためにも、ぜひExcelの勉強を始めましょう。英語学習などと違って、1〜2ヶ月本気を出せばある程度のレベルまではすぐに到達できますよ。
エクセルの勉強を始めるために必要なもの
ExcelのインストールされたPC(windowsが望ましい)
最近はスマホやタブレット用のExcelもありますが、仕事で使うスキルとしてExcelの勉強をするのであればもちろんパソコンが必要です。
仕事でExcelを使う場合、会社から与えられたWindowsパソコンを使うことになるので、できればWindowsのPCを使う方がいいでしょう。
Excelのバージョンは最低でも2007以降
エクセルのバージョンはリボンUIが採用された2007以降のもので勉強しましょう。まともな企業であればそれ以前のExcelを未だに使っているということはないはずです。
Macの場合
Macでエクセルの勉強をする場合は、絶対に最新版のOfficeを使いましょう。Office 2016 for MacではUIがWindows版とほぼ同じように変更されたので、windowsを触った時の違和感は以前より軽減されています。
オフィスソフトがない場合
Microsoftオフィスは高価なソフトですが、最近はoffice 365 soloという月額1200円程度で最新のオフィスソフトを利用できるプランもあります。
仕事以外でエクセルを使わない場合、自宅で勉強するために2ヶ月程度Office 365 soloを契約して、一通り身につけたら解約する、という手順を踏めばわざわざ何万円も支払わずに済みます。
常識的な英単語の知識
Excelの勉強を効率的に進めるには簡単な英単語の知識が必須です。
関数には機能を表す名前が付けられているので、SUM(合計)、Average(平均)、VLOOKUP(vertical→垂直方向に、look up→調べる)といった単語とその意味が結びつけられないと覚える労力が余計にかかってしまいます。
知識0の入門者向け
Microsoft Office Specialist Excel 対策テキスト & 問題集(FOM出版)
写真は2013年版ですが、新しいバージョンも出版されています。
全く知識がない人がExcelの勉強を始めるなら、この本がおすすめ。この本は問題集形式になっていて、自分で手を動かしながら学習することができます。
巷にあふれるExcel本は逆引き形式になっていることが多く、使いたい機能を調べてもその場しのぎになってしまい、頻繁に使う機能以外は身につかないことが多いです。
一方、この本は新規のブックを作成という超基本から始まり、データの入力や並び替え、基本関数、グラフの作成と実際に操作をしながら順を追って身につけることができます。
5章構成になっており総復習用の章末問題、さらに巻末には総合問題もついています。
この総合問題は、CD-ROMを使ってMOS試験(microsoft OFFICEの技量を測る試験)と同じ形式で解くこともできますし、解答も載っているのでソフトを使わずに自分で答え合わせをすることもできます。
ちゃんと手を動かしながらでも1章あたり1時間半くらいなので、1週間もあればExcelの基本を総ざらいすることができます。
Excelの基礎をやり直したい、という人の場合は、章末問題を先に解いてわからない場所を参照する、といった使い方もオススメです。
公式HPから必要なファイルをダウンロードできるので、CD-ROMを読み取る環境がなくても大丈夫です。
全てのエクセル利用者向け
たった1日で即戦力になるExcelの教科書 (技術評論社)
タイトルは大げさですが、日常的にエクセルを利用している全ての人が読むべき名著です。逆にこの本を読んでたいしたこと書いてねーじゃん、と思える人は相当にエクセルを使いこなしている人でしょう。
日常的に使いたい基本関数のより突っ込んだ使い方から、神関数とも呼ばれるVLOOKUP、関数のネスト(複数の関数を組み合わせる)、offset、match、concatenateなど単体ではイマイチ使いどころのわからないものの活用法、さらにはメンテナンスのしやすい資料の作り方やデータ分析の基本まで書かれており、まさに目から鱗の内容です。
上で紹介したMOS試験対策本では扱われていない内容や、実際にエクセルをどう活かすか、という視点をうまく補完してくれます。
内容があまりに素晴らしいのでスラスラ読めてしまいますが、実際に手を動かさないと身につかないのでその点は注意が必要です。
マクロ、VBAについては扱われておらず(→最近VBAを扱った続編がでました
)、またピボットテーブルも出来る限り使わないほうが良い、というスタンスをとっています。
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術-数字力が一気に高まる基本スキル (ダイヤモンド社)
外資系投資銀行の、という派手なタイトルとは裏腹に、内容は見易い資料の作り方だったり、知らないと損をするショートカットキーの使い方(特にaltキーの活用法)だったりと地味で実直な内容がまとめられています。
フォントはこれを使え、といった言い切り方なので、とりあえずそのまま真似しておけば見た目の良い資料が効率的に作れるようになります。
エクセル術を扱ったネット上のブログ記事にはこの本の内容を元ネタに書いてるな、と思えるものが多々あり、一皮むけるために読んでみて損はない本です。
著者は外資系投資銀行という肩書きがよっぽどお気に入りのようで、本の中で何度も「投資銀行では〜」というくだりが登場するので、僕のようにそういったエリート社会に縁がない人間は少し心を折られるかもしれません。
できれば読んでおきたいエクセル本
自分のペースでゆったり学ぶ Excel VBA (技術評論社)
VBAを使ったエクセルの自動化について0から学べる本。
VBAの入門書としては一番わかり易いと思います。お店を経営しているくま君が、御用聞きをした後に注文表、納品書をエクセルVBAを使って自動で作成する、というストーリー仕立てになっています。
わかりやすい具体的なプログラムを書いてから抽象化していく、という話の進め方が非常に上手く読みやすいです。
会社では一社員の独断でVBAを使わせてくれることは少ないかもしれませんが、エクセルを活用すればこういったことも出来る、ということを頭に入れておくと、業務を改善する際の選択肢が増えるでしょう。
EXCELビジネス統計分析 (翔泳社)
エクセル本というよりは、エクセルを通じて統計学の基本を学ぶ本です。
平均は嘘をつく、といったお決まりの導入から、回帰分析、t検定、カイ二乗検定の基礎を学び、解析したデータから何を読み取るべきか、といった手法を解説しています。
公式HPからサンプルファイルをダウンロードできるので、実際に自分で手を動かしながら学習できるのがポイント。
数学が得意な人は、統計学 Liberal-Arts-Selection (有斐閣)
雑記
エクセルの操作方法を知っていたところで実際の実務能力に直結するわけではありませんが、網羅的に基本を押さえておけばどんな環境に置かれてもすぐに適応することができます。
冒頭にも書きましたが、基本的なエクセルのスキルというのは使ったことがあるかどうかであって、高学歴だからとかベテラン社員だからExcelが得意だ、ということはありません。
数ヶ月本気で勉強するだけで簡単に自分を高められるお手軽なスキルなので、ぜひ明日といわず今日からエクセルの勉強を始めましょう。