やり直しに最適!全部入りの英語参考書 「ALL IN ONE」

日本語で書かれた英語参考書の中でも、抜群に完成度の高いリンケージ倶楽部 ALL IN ONEのおすすめポイント、そして使い方を紹介します。ALL IN ONEは、英語の参考書を探している人が絶対候補に入れておきたい素晴らしい書籍です。

ALL IN ONEの概要

ALL IN ONEは、リンケージ倶楽部から発売されている英語参考書です。419の例文の中に、

が見事につめ込まれています。例文の和訳を見て英作文をしたり、付属のCDを使って例文のリスニングを行えば、英語力を総合的に伸ばすことが出来ます。収録されている単語、構文のレベルは概ね大学受験用の参考書と同じレベルです。

1冊に含まれている内容が濃いため、英語学習を始めたばかりの高校生では覚えることが多すぎて挫折する可能性が高いです。どちらかというと、TOEIC、TOEFLのために英語の基礎力を鍛え直したい大学生や社会人に向いています。

ALL IN ONEのここがすごい

例文の質の高さ

ALL IN ONEの例文は質が高く、覚えやすいように工夫がされています。たとえばこちら。

Contrary to what we had expected,the jury returned a unanimous verdict of not guilty, and the defendant, embraced by his attorney, wept with joy.

引用元 : 高山英士著「ALL IN ONE」P.203

陪審、評決を下す、被告人、弁護士といった関連するワードが、情景が思い浮かぶ例文に見事に埋め込まれています。例文はこのように覚えやすく、実際に使われている自然な表現で書かれています。記憶の定着はもちろん、会話や作文で使う能力も育まれます。

少々ネガティブな例文が多いのが玉に瑕です。

ナチュラススピード、スロースピード、2種類の音声つき

ALL IN ONEにはCDとCD-ROMが付属していて、CDにはナチュラススピードの音声、CD-ROMにはナチュラススピード、スロースピード両方のMP3データが入っています。音声は例文が読み上げられるのみで、日本語が一切入っていないのでリスニングの訓練にも最適です。

例文の補足解説が詳しい

ALL IN ONEの例文には必須の文法事項や構文が盛り込まれているため、普通の単語帳についている例文より複雑な表現になっています。しかし、本書に付属しているCD-ROMにはPDFファイルが付属していて、例文に関する補足の説明やQ&Aを読むことが出来ます。また公式HPにも読者から募集した質問とその解答(PDFファイルのものとは別のもの)が載っています。

これらを参照することで、独学でも着実に力をつけていくことが可能です。

巻末のアペンディクスも充実

巻末には、前置詞、接頭辞、接尾辞、句読法などについて詳しくまとめたアペンディクスがついています。動詞の不規則活用や注意が必要な不可算名詞のまとめもここに書いてあります。

ALL IN ONEの効果的な使い方

準備

まず付属のCD-ROMから、スケジュール表と例文解説のPDFをコピーします。Dropboxなどのクラウドドライブに置いておくとスマホやタブレットからも利用しやすいと思います。

音声のMP3データも取り出してiTunesなどの音楽ファイル管理ソフトに入れておきましょう。

スケジュール表にそって7例文ずつ進めていく

ALL IN ONEの例文は419個あり、7個がひとまとまりになっています。スケジュール表にそって1日7例文ずつこなしていけば、60日(7✕60=420)で1周できます。

スケジュール表には、当日にこなすべき例文の番号に加えて、その日復習するべき例文(学習日の翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後の4回)の番号も記載されています。スケジュール表通りに進めていけば、復習込みで4ヶ月程度で終えることが出来ます。

例文も緻密に配列されていて、このスケジュール表通り進めると複数の意味を持つ単語や類義語などが同じ日にまとまって登場するようなつくりになっています。これがAll in oneのすごいところですね。

絶対に音声を利用する

ALL IN ONEに限らず、英語参考書の音声ファイルは絶対に利用しましょう。ALL IN ONEのナチュラルスピードの音声はかなり早いので、最初はスロースピードから始めると良いと思います。

通勤、通学中などに先に音声を繰り返し聞いておき、家に帰ってからその日の分の例文を学習したり、あるいは学習した翌日に前日分の例文の音声を聞いて復習をする、というのがいいでしょう。

復習の度にやり方を変える

スケジュール表通りであれば、1つの例文について最低5回(もちろん時間があればいくらでもやるべき)学習する機会が設けられています。復習の際にはただ例文を読むだけでなく、和訳を見ながら英作文をしたり、音声を聞きならディクテーション(書き取り)をしてみたり、様々な方法を取り入れていきましょう。

実際に手を動かさないと正確なスペリングを覚えることが出来ませんし、また記憶の定着という面でも不利になります。他の参考書に目移りすることなく時間をかけて本書をやり通すことができれば、自身の英語力の向上を実感できるはずです。

合わせて使いたい参考書

同じくリンケージ倶楽部から「English Ex」という文法問題集が出ています。章立てもほぼALL IN ONEに準拠しているので、併用するとより効果的です。ALL IN ONEと同様例文の質も高く、音声もついています。

こちらの問題集は、空欄補充、誤文訂正などが中心であり、受験用の文法問題集とは少し毛色が違います。問題を解くというよりは理解を深めることを意図した参考書です。一般的な4択のドリルのような問題集が好みであれば、桐原の「全解説入試頻出英語標準問題1100」も一つの選択肢です。こちらにはALL IN ONEで学習した文法事項や熟語も多く盛り込まれているため、良い復習になります。

まとめ

ALL IN ONEはその名の通り、1冊で英語の総合力を底上げできる素晴らしい参考書です。ただ例文を読むだけでなく、リスニング、英作文の教材としても活用する、というのが一番のポイントです。

Amazonでは、難解な英文解釈の本に「これを読めば偏差値80超え」なんてレビューが平然とつけられていますが、読む力だけ鍛えた所で絶対に英語力は伸びません。読む、書く、聞く、話すといった全ての方面から鍛錬を重ねることで、ある日それらの能力が組み合わさって大きな力となります。

試験範囲に含まれていないからといって、リスニングや英作文の訓練を怠るのは絶対にやめましょう。