日本人には自然だけど、海外にはあまり見られない日本特有の自動車事情をまとめてみました。
軽自動車
2014年には日本国内の新車販売の4割を超えた軽自動車ですが、この規格は日本独自のものです。それゆえ日本は車の輸入に関税をかけていませんが、この軽自動車の規格が非関税障壁になっているとして、日米の貿易関連の取り決めでよく話題にされています。
とはいえ軽自動車の規格がなくなったからといって、アメリカの巨大で大排気量な自動車が日本で一定のシェアをとるようになるとは考えづらいので、ある種のイチャモンのようなものでしょうか。
欧州のAセグメントのように、軽自動車とは違う小型車の規格を独自に設定している国、地域は日本以外にもあるようです。
都市高速
首都高や阪神高速のような、ビルの間を縫うように走る自動車専用道路というのは、日本以外ではほとんど見られません。阪神高速では、ゲートタワービルというビルを道路が文字通り突き抜けている箇所も存在します。
都市高速道路は道が狭い、交通量が多い、分岐が多いなどできれば通るのは避けたい道路と言われますが、こういう↓動画を見ると深夜のドライブなんかは一度はやってみたいと思いますよね。
左側通行に左ハンドル
自動車のハンドルは、ドライバーの視野、同乗者の乗り降りといった観点から対向車側についている(日本は左側通行なので右ハンドル)のが基本ですが、日本では輸入車の左ハンドルを見かける機会が多いです。
他の国に目を向けてみると、日本と同じ左側通行のイギリスでは左ハンドル車に割高な保険料をかけており、同じく左側通行のオーストラリアは左ハンドル禁止、右側通行のアメリカではほとんどの州で右ハンドル車は禁止、というようにハンドルが逆側についている車に対して厳しい対応をとっている国は多いです。
参考:Right- and left-hand traffic – wikipedia
日本でも今では多くの輸入車が右ハンドルモデルを用意していますが、それでもあえて左ハンドルを選ぶ人は決して少なくありません。輸入車だからという理由で、日本と同じ左側通行のイギリス車でさえ左ハンドルにして乗る人もおり、こういった外車=左ハンドルという信仰は日本独自といえるでしょう。
運転手付きのショーファードリブンカーに関しては、運転手が歩道側にいたほうが停止した時後部座席のドアを開けやすい、なんて説もありますが、海外のリムジンのハンドルが逆側についているか、といったらそうでもないので、逆ハンドルを正当化するためのこじつけ感は否めません。
ただし一部の車種に関しては、右ハンドルにするとアクセル、ブレーキペダルの位置がおかしかったりと、左ハンドルの構造を無理やり右ハンドルにしたものが存在するのも事実で、また下取り価格についても左ハンドルの方が高い車もあり、左ハンドルという選択にも色々な事情があったりします。
なんにせよ、左ハンドルしかないモデルでも普通に乗ることが出来るということを考えると、日本はクルマ好きには優しい国といえるかもしれません。
ウィンカーレバーの位置
日本車のウィンカーはハンドルの右側についていますが、輸入車の場合、ハンドルの位置に関わらずウィンカーレバーは左側にあります。これはISOという国際規格によりウィンカーレバーの位置は左と定められているためであり、実は日本のほうが特殊なのです。日本の場合は、JISという日本国内の規格によってウィンカーレバーは右側と決められています。
日本と同じ左側通行のイギリスではマニュアル車が多く走っており、ドライバーは左手でウィンカー、ギアレバーの両方を操作しなければいけないのでかなり大変そうですね。
余談ですが、ウィンカーというのも和製英語であり、英語ではインディケーター(indicator)といいます。