主に都市部において最近急速に広まっているカーシェアリング。この記事ではカーシェアとマイカー、レンタカーとの違いを解説し、カーシェアの大手である
どれが良いのか比較していきます。カーシェアは、都市部に住んでいるファミリーや、月額会員費用が無料の学生に特にメリットの大きいサービスです。
目次です
カーシェアの利用を検討するべき理由
マイカーの維持費

photo by Japanexperterna.se
資産形成の入門書として有名な書籍「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」では、マイカーは負債である、と説明されています。
車を所有しているだけで
- 車両代(ローン)
- 税金(自動車税、重量税)
- 保険
- 駐車場代
- 車検代
- 消耗品代(タイヤ、バッテリー、オイルなど)
など多額の出費が必要になります。これらの出費はマイカーの利用頻度に関わらず永久に続いていきますし、車を動かせばその分の燃料代が消費されます。
車自体には確かに資産価値があるものの、その値段は時間が経つにつれてどんどん下がっていきます。
カーシェアやレンタカーは利用するたびにお金がかかるものの、利用頻度によってはマイカーより安く済むというケースも多いのです。
レンタカーとカーシェアリングの違い
カーシェアリングは毎回の手続きが楽
レンタカーでは、車をレンタルする前に毎回担当者と契約内容の確認、免許証の提示などの事務手続きが必要なので時間がかかります。また営業時間が限られている店舗が多く、渋滞に巻き込まれて時間内に到着できなかった場合などに面倒なことになります。
カーシェアリングでは、一度会員登録を済ませればインターネットから予約、会員用のICカードでロックを解除して出発、とすべて自分一人で行うことができます。予約さえ確保できれば24時間いつでもマイカーに近い形で利用できますし、時間の延長もインターネットから簡単にできます。
カーシェアリングはガソリン代ではなく距離料金がかかる
レンタカーの利用料金は、時間料金+使った分のガソリン代になります。
一方、カーシェアリングではガソリン代がかからない代わりに、距離に応じて課金されていきます。この距離料金は6時間以上経過すると発生するところが多いです。
トータルの利用料金は、「時間料金+距離料金+会員費」、ということになります。
公共交通機関と違い、乗車人数が増えるほど一人あたりの料金が下がるのは車旅のメリット。
会員費の分は毎月の時間料金、距離料金から割り引かれるため、毎月カーシェアを利用するのであれば月額費用は無料のようなものです。
シェアされた全ての車を利用できる
カーシェアリングでは、自宅の近くの車だけでなく、職場の周辺にあるステーションの車を使う、ということももちろん可能です。
週末に旅行かばんを駅のロッカーに預けておき、仕事帰りにかばんを回収した後、職場の近くの車を借りてそのまま旅行にでかける、といった使い方もできます。
電車や飛行機と違い、余計な荷物があっても気にならないのが車移動の大きなメリット。車の返却前に家に寄ってくることで荷降ろしも楽々行うことが可能。
- 利用例
- 金曜日の朝:旅行かばんを持って出勤
- 金曜の夜:退社後、職場近くの車を借りてそのまま旅行へ
- 日曜日:自宅へ戻って荷物を下ろし、近所のコインパーキングに車を停める(時間に余裕があれば返却)
- 月曜日の朝:車で職場へ向かい、返却後そのまま出勤
レンタカーの店舗は営業時間が限られているところが多いので、こういった使い方ができるのはカーシェアならでは。会社が集中する都市部にカーシェアのステーションが多いのもポイントです。
カーシェアリングは車の清掃が利用者任せ
レンタカーでは、借りる前にスタッフの方が車体、内装ともに綺麗にクリーニングをしてくれます。
カーシェアリングでは車の掃除が利用者の自主性に任されているため、自分が利用するエリアに掃除をしない会員がいると汚れた車に乗るハメになることもあります。
シェアリングサービス全般に言えることですが、快適に利用できるかどうかは一緒にシェアしあう相手次第ということになります。
カーシェアリングはクレジットカードが必須
カーシェアの会員になるにはクレジットカードが必須です。エポスカードや楽天カードは学生や主婦でも申し込めますし、ETCカードも発行できます。
登録はネットから簡単にできます
会員登録もインターネットから簡単にできます。免許証の提出もスマホで写真を撮ってアップロードする、という現代的な方法で行うことができるので、余計な書類の手続きが必要ありません。
移動手段だけではないカーシェア
カーシェアリングは会員登録さえすませてしまえばスマホからいつでも予約ができるのが大きな強み。
この点に目をつけ、気軽に利用できる個室スペースとしてカーシェアを使っている人もいるようです。
参考:カーシェアの意外な使い道が明らかに、カフェから子守り、カラオケまで – IT Pro
上述の通りカーシェアはガソリン代を払う必要が無いのでエアコンも使い放題ですし、短時間の利用であれば15分200円ほどから利用できるので、カフェに駆け込むより安い、というわけですね。
もちろんアイドリングする場所には注意が必要ですし、距離料金がかかってくる6時間以上にも渡って全く走らせずにエアコンでガソリンだけ消費する(そんな人はめったにいないと思いますが…)のはモラル的に問題ありですが。
「カレコのカーシェアリング」と「タイムズ カーシェア」を比較
カーシェアサービスを提供している会社としては、
の2つが有名です。
カーシェアを利用できるエリア
カレコは三井のリパークが運営しているカーシェアリングサービスで、利用できるのは首都圏、とくに東京が中心になります。一方タイムズ カーシェアは、島根県と佐賀県以外のすべての都道府県で利用可能です。
- 公式でステーションの場所を調べる↓
- カレコのステーションを検索
タイムズ カーシェアのステーションを検索
料金の比較
カレコ | タイムズ | |
---|---|---|
月額 | 980円 | 880円 |
入会費 | 0 | 1650円 |
時間料金 | 130円/10分 | 220円/15分 |
時間料金の上限(6時間) | 3800円 | 4290円 |
時間料金の上限(12時間) | 5300円 | 6490円 |
時間料金の上限(24時間) | 6800円 | 8690円 |
距離別料金 | 16円/1km | 16円/1km |
距離料金は6時間以上の走行のみ時間料金にプラスして請求されます。また距離料金の走行距離は車を借りたステーションを起点として計算(=6時間経過前の走行距離の分も課金)される点は要注意!。
上の表はベーシックな一番安い車種の料金なので、利用する車によってはもう少し高くなります。カレコ、タイムズ共に1回のレンタルにつき最大72時間まで利用できます。
カレコ、タイムズ共に月会費の料金分は無料で乗ることができるので、毎月1回以上利用するのであれば会費は無料のようなものです。
学生は月額が4年間無料です。
- 公式で料金を見てみる↓
- カレコの料金
タイムズ カー プラスの料金
車種の比較

photo by Chad Horwedel
カレコは、コンパクトカーやミニバンに加えて、スポーツカー(ロードスターなど)のような趣味性の高い車のラインアップが豊富です。キャンピングカーまでレンタルすることが可能。
また最近ではメルセデスベンツやレクサス、ジープ、ランドローバー、ボルボ、ジャガーなど輸入車のラインナップが拡充されています。
タイムズはカレコ比べると趣味性の高い車は少ないです。
どちらの車も、ETC、カーナビ、チャイルドシートといった基本装備が搭載されており、全車禁煙、ペット不可になります。
- 公式で車種のラインナップをみる↓
- カレコの車種
タイムズ カー プラスの車種
予約期間とキャンセル
カレコは2ヶ月先まで10回分の予約ができ、予約時間前ならキャンセル料は無料。
タイムズは2週間先まで予約可能で、予約時間前のキャンセルは無料。
保険
カレコ、タイムズともに、対人対物無制限、車両保証時価額、免責0円の保証がついています。
家族会員
カレコ、タイムズ共に家族会員制度があり、一人分の月会費で家族もカーシェアを利用できます。カレコは3人までは一切の追加料金が不要で、4人以上の場合のみ登録料として500円/人がかかります。
タイムズは家族会員を追加するためにカード発行手数料 1550円/人が必要です。
カレコは免許取得後1年経過しないと会員登録不可
むかしは免許取得後すぐに会員になれたのですが、現在カレコは免許取得後1年経過していることが会員登録条件となっています。
カレコのみのサービス
多彩な料金プラン
カレコは会員費を年払いにすることで、4800円/年(月額400円)で利用できるようになります。
時間料金が高くなる代わりに月額が無料になるプラン、平日だけさらに安くなるプランなど、料金体系も複数あります。
またカレコはニッポンレンタカーと提携しており、カレコの会員ページからニッポンレンタカーを予約すると大幅な割引があります。カーシェアは72時間までしか借りられないので、1週間など長期のレンタルをしたい場合にはニッポンレンタカーを安く利用することが可能です。
キャンピングカーもレンタル可能
カレコで借りられる車のラインナップにハイエースをベース車としたキャンピングカーが加わりました。
キャンピングカーの利用条件は特殊で、3日前までの電話予約が必須、また距離料金がかからない代わりにガソリン代が実費になるなどレンタカーに近いシステムになっています。
キャンピングカーに泊まることで宿泊費がいらなくなると考えれば料金も決して高くないので、複数人で行く旅行のお供におすすめです。
公式LINK:カレコ カーシェアリングクラブ
タイムズのみのサービス
充実の保険
タイムズでは、TCP安心補償サービスとして1回の利用につき309円を支払うことで、NOC(ノンオペレーションチャージ、事故車が営業できない期間の利益を補填する罰金で通常の保険ではカバーされない)を0円にすることができます。
NOCを0円にできる保険は大手のレンタカーでもめったに無いので、ペーパードライバーなど運転に自信がない人には心強い味方です。
また洗車、給油に協力することで15分間の利用料が無料になる、といったサービスもあります。
全国どこでも利用可能
タイムズはほぼ全国どこでもカーシェアステーションがあるので、新幹線や飛行機で移動した後旅行先で車を手配する、といった使い方もできます。
結局どこのカーシェアリングがおすすめ?
まず駐車場が一番近いサービスを検討する
利便性を考えれば、自分の家から一番近いところにステーションがあるカーシェアサービスを検討するべきです。カーシェアにかぎらず、車の利用において家から駐車場までの距離は近いに越したことはありません。
利用頻度にもよりますが、料金よりもまずステーションとの距離を優先するべきです。
東京でカーシェアを利用するならカレコ
料金に関しては全体的にカレコのほうが安く、車のラインナップも豊富。さらに会費を年額払いにすれば割引もあるので、東京でカーシェアリングに登録するならカレコで間違いありません。
2ヶ月先まで10回分の予約を抑えることができる、というのも非常に使いやすいです。最近は順調に会員が増えているようで、ベンツやレクサスなど一度は乗ってみたいプレミアムカーのラインナップが拡充されているのも高評価。
公式Link:カレコ カーシェアリングクラブ
東京以外でカーシェアを利用するならタイムズ
そもそもカレコは首都圏以外ではほとんど利用できないので、ほかの地域に住んでいる人はタイムズ一択となります。
タイムズは全国で展開しているため、出張や旅行先で車を手配する、といった使い方もできるのがポイント。飛行機や新幹線で国内を飛び回っている人はタイムズのカーシェアを検討するといいでしょう。
またNOC(休業補償)を0円にできる保険は大手のレンタカーでも用意されていないことが多いので、心配性の人はタイムズで保険をつけて車に乗ると万一事故に巻き込まれたときも安心です。
公式Link:タイムズカーシェア
カーシェアリングが合っているのはどんな人?
カーシェアの利用を特に検討するべきなのは、都市部に住んでいるファミリー、そして学生です。都会の車の維持費の高さは周知の通りですし、マンション住まいの場合駐車場とも距離があることが多く、自家用車のメリットが薄れてしまいます。
マイカーを所持している人の、たまにはファミリーカーではなく別の車でドライブしてみたい、といった用途にも使えます。
また大手のカーシェアは学生の月額を無料に設定しているため、とにかく車に乗ってみたい学生はカーシェアを検討してみるといいでしょう。友人、恋人と出かけたり、サークル活動の際にスムーズに車を手配できます。
就職後に営業車の運転を任されたり、車通勤必須の地域に転勤なんてこともあるので、運転に対する恐怖心をなくしておくのは重要なことです。
カーシェアリングなら、東京に下宿している大学生でも深夜の首都高ドライブにでかける、なんてことが簡単に実現できますよ。
近年は、車離れが叫ばれる一方で圏央道に代表される新しい高速道路が次々と完成していたり、ガソリン代が低めで安定していたりと車を取り巻く環境はどんどん良くなっています。カーシェアであれば、車を所有せずとも気軽に車で出かけるという体験ができます。
免許を取得し車の運転をしてみたいという人はぜひカーシェアを気軽に試してみましょう。