【富士山に登る】初心者は富士宮ルートからの登山がおすすめ

世界文化遺産にも登録され、近年ますます人気が高まっている富士山。今年こそ富士山に登ってみよう、と考えている方は多いでしょう。富士山には大きく分けて4つの登山口があるのですが、初めて富士山に登るのであれば静岡県 富士宮ルートが一番おすすめです。

この記事では、なぜ富士宮ルートで登るべきかを解説します。

富士山 4つの登山口

まず富士山の登山口の基本情報から。上に行くほど人気が高く人が多いルートになります。

富士山の登山口
登山口スタートの標高(m)所要時間 (往/復)
富士吉田23004時間 / 2時間半
富士宮24003時間半 / 2時間
須走20005時間半 / 3時間
御殿場14006時間半 / 3時間

富士登山の所要時間はあまり当てになりません。夏場は登山渋滞が起きているため上記の時間以上にかかる可能性が高いです。逆に空いていれば大幅に短縮できます。11月に富士宮ルートから登った際には登り2時間半、下り1時間半と参考タイムより大幅に早かったです。

須走、御殿場ルートは上級者向け

上記の表を見てもらえれば分かりますが、須走、御殿場ルートはスタートの標高が低く時間がかかるため、上級者向けのルートになります。初心者が登る際に選択するべきではありません。

ただし下山時は砂の上を滑るように降りていくことが可能でさほど時間がかからないので、自家用車で富士山を訪れていないのであれば須走、御殿場方面へ下山するのも選択肢の一つです。

以下では、富士吉田と富士宮ルートを比較しながら富士宮の方がおすすめな理由を紹介します。

富士山に登るなら富士宮ルートがおすすめな理由

標高が高く所要時間が一番短い

富士宮ルートの登山口は富士吉田より100m標高が高く、山頂までにかかる時間が一番短いです。富士山は標高が高く空気が薄いため、たった100mでも所要時間に大きな差が出ます。

富士宮口

また富士吉田ルートではスタートから30分ほど水平に歩く必要があり標高が上がらないため、富士宮より余計に時間がかかる要因となっています。

富士吉田口 5号目付近

富士山の登山道は恐ろしくつまらないので、登山にかかる時間は短いにこしたことはありません。さっさと頂上へ登って、頂上の景色と日本最高峰に登ったという達成感を得ることが大切なのです。

富士山 山頂

人工物が少ない

富士吉田ルートの登山道は崩落防止のためのフェンスが至る所に設置してあり、安全のためとはいえ見栄えが悪いです。

富士吉田ルートのフェンス

対して富士宮ルートは山小屋こそ富士吉田と同様にたくさん設置してありますが、登山道の景色をつまらなくするようなものはありません。

富士宮口 5号目

日本最高峰 剣ヶ峰が一番近い

日本の最高地点である標高3776mに到達するには、山頂からさらに剣ヶ峰(けんがみね)と呼ばれる地点まで登らなければなりません。せっかく富士山に登ったのだからぜひ最高峰を踏んでおきたいですよね。

剣ヶ峰をのぞむ

この剣ヶ峰は富士宮ルートの終点からすぐのところにあるため、お鉢巡り(富士山の火口周りを1周、40分〜1時間ほど)をするつもりがないのであれば富士宮ルートから登ると最も早く到達できます。

富士山最高峰 剣ヶ峰

海が見える

富士宮ルートから後ろを振り返ると、晴れていれば駿河湾や伊豆半島を見渡すことができます。

富士山から駿河湾を望む

富士吉田ルートからも河口湖や山中湖の綺麗な景色が望めますが、個人的には富士宮の方が景色はいいと思います。

富士吉田から山中湖、河口湖を望む

富士吉田は観光地感が強い

富士吉田の登山口は最も人が多く、飲食店やお土産屋などがたくさんあるため俗っぽい雰囲気です。毎年山開きになるとTV局のレポーターが中継をやっているので見覚えのある人も多いでしょう。

富士吉田 5号目

近年は登山目的ではない中国やタイのツアーバスが大挙して押し寄せており、その混雑はとんでもないことになっています。

富士宮にもレストランはありますし外国人のツアーバスも来ていますが、富士吉田に比べると遥かに穏やかで質素な雰囲気ですし、展望台からは駿河湾の景色を眺めることもできます。

富士宮 駐車場

富士宮の展望台

富士スバルラインが有料

富士吉田へ行くには、中央道 河口湖ICを出てから富士スバルラインという有料道路(往復2060円/ETC不可)を通る必要があります。近年はロードバイクのヒルクライムコースとしても人気で自転車だらけなので、非常に走りにくいです。

一方、富士宮へ行くには東名高速 御殿場ICから下道を走り、富士山スカイラインを通ることになりますがこちらは無料です。

高速道路の渋滞

富士吉田ルートの最寄りICは、上記の通り中央道 河口湖ICになります。よって東京方面へ帰宅する際には悪名高き小仏トンネルを通過することになるため、休日は確実に渋滞につかまります。近年の小仏トンネルの渋滞は主に車線の増減による合流の乱れから生じているため、小仏トンネル付近で発生した渋滞を抜けるまでには非常に時間がかかります。

対して、富士宮ルートの最寄りICは東名高速 御殿場ICになります。こちらも御殿場IC入口付近や大和トンネルで渋滞が発生するものの、事故渋滞でない限り完全に止まってしまうということは少なく、30〜40km程度で転がって進むことができるため中央道ほどストレスがたまりません。

富士宮ルートからはご来光が見えない

ひとつ注意点として、富士宮ルートからはご来光を拝むことができません(もちろん山頂までいけば見られる)。山頂に辿り着く前に山小屋などからご来光を見ようと考えている人は富士吉田から登りましょう。

まとめ

富士山 雪のかかった火口

紹介した通り、初めての富士登山ならあらゆる点で富士宮ルートがおすすめです。はっきりいって富士山に登るのは非常に退屈ですが、頂上の景色や日本一高い所を踏んだ、という達成感は何にも代えがたいものがあります。話のネタにもなりますし、ぜひ人生の記念に富士山へ登ってみましょう。

夏場でも山頂付近の気温は低いので防寒具の用意は忘れずに。下りは膝を痛めやすいので、ストックも持っておくと安心です。登山用品は高価なので、今後本格的に登山をする予定がないのであれば登山用品のレンタルサービスを活用するのがオススメです。